続き ページ32
｢A、あの時の事を覚えていないのか？｣
あの時。助けてもらったことは覚えている。ポロロッチョ、13には、既に現状を話していた。
ポロロッチョには、｢そう……良かったわね、A。大丈夫よ。私はどんな貴女でも愛してあげるわ｣とキスをされた。優しく、触れるだけのキスを。
13には｢良かった……お前が無事で、ホントに良かった……｣ときつく抱きしめられた。まるで、縋るように。
｢いや、なんとなくは覚えてる。けど、原因が何かは覚えてないんだよね……忠臣が私に謝ってるところからしか、記憶がなくて……｣
中途半端な記憶操作だと思うが、これが最大限なのだろうと、自身で納得していた。ルチアーノは少し考えた後、スープを啜った。そして、話を続けた。
｢そうか……うなされたりはしてないな？｣
｢うん。大丈夫。心配性だなぁ！何、私に気でもあんのー？｣
｢……私はその手には乗らん｣
チェシャ猫の様に笑い、からかいの言葉を告げる。ルチアーノは、静かに告げると、パンを口に含んだ。
現状、本当に、記憶がすり抜けているのだ。だが、気にしてはいけないと、自分で自分に言い聞かせていた。
話が終わる頃には、互いの皿が空になっていた。互いに口を揃えて、食後の挨拶。と、私が片付ける前に、ルチアーノが皿をまとめて食器洗いに行ってしまった。
｢あああ！もう、客がそんな事しなくていいから！｣
｢いや、私の気が済まないのだ。やられっぱなしではな｣
｢……なら、お願いね｣
そういった彼は、ガチャガチャと皿を洗い始める。こういう所は頑固だとわかっていたため、軽く一息吐いて、甘えることにした。
しばらくすると、食器も洗い終わったのだろう。ソファでテレビを見ていた私の傍に、ルチアーノが座り込んだ。
｢どうしたの？｣
｢……いや、大したことではない｣
｢ふーん｣
そうして、その日は自室でまったりとしていた。ルチアーノは、不器用だからこそ、口にしないこともあるのだろう。
その気遣いに甘えて、私は寂しさを理由に、その日は彼と共に居た。
｢A｣
｢なにさ？｣
｢……寒いな｣
｢そうだねー、冬だし。くっついてよっか｣
｢ああ、そうしておこう｣
冬本番。体をくっつけていたのは、寒かったから。そう、言い訳をさせてほしい。じゃないと、彼の奥さんに殺されそうだ、なんて思った。
不純組の会話(13、ポロロッチョ)→←不器用な男の、不器用な心配(ルチアーノ)
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jazz(プロフ) - デラックスお餅さん» 純粋な感想ありがとうございます！何かネタが降ってきたら書けるんですがね……（笑）「コメント アリガトウゴザイマス。コレカラモ ヨロシクオネガイ シマス」 (2019年1月26日 22時) (
レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
デラックスお餅 - 面白い！次回に期待... (2019年1月26日 20時) (レス) id: 38e0588fa2 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - まっちゃむーしゅさん» ありがとうございます！13は絶対お酒好きだろと思いましてつい← ｢コメント アリガトウ ゴザイマス。アノ二人 ニハ テヲ ヤイテ イマスガ……イワレタ 本人達ハ トテモ喜ンデ イマスヨ｣ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - お酒で直ぐにつられるサティとビッチちゃんがかわええ (2018年12月22日 20時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - ゲスミンさん» ｢ワタシニ コウイヲ ムケラレマシタカ？ムダガ スキナ ニンゲンラシイ コウドウ デスネ。コレカラモ カンサツ ヲ ツヅケテイキマス｣ご愛読、またご感想、ありがとうございます。 (2018年12月10日 12時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2018年11月30日 19時
