不器用な男の、不器用な心配(ルチアーノ) ページ31
自室。一人で眠り、一人で起きる。アラーム音はもう三度目だ。
ノロノロと起き上がり、携帯のアラームを止める。
パジャマに着ているジャージから、コスチュームに着替えた。長い髪を編み、前髪を左に流す。
コートを翻して袖を通せば、温かくて落ち着く感覚を覚える。
最後に、コートの懐に斧槍を入れ、腰のホルスターに銃をスタンバイ。
｢うん、決まってるぅ。さっすが私｣
鏡の前で自分を褒め、モチベーションも決まった。今日は良い朝だ。そう思ったと同時に、コンコン、と扉が音を立てた。
｢はーい、どうぞー｣
｢私だ。入るぞ｣
ガチャりと扉が開いて、入ってきたのはルチアーノだった。今は奥さんの棺も無く、本人単体の状態で。
｢おはよ。どうしたのさ｣
｢いや……A、大丈夫か？｣
この前の事からして、心配してくれたのだろう。棒立ちになったままだが、こちらを見つめていた。不器用な優しさに、私は耐えられなくて、ついついふざけてしまう。
｢大丈夫、大丈夫。てか、心配してたんだ？もうVoidollに直してもらったし｣
｢そうか｣
｢それより、こっち来なよ。朝ごはん、まだでしょ？｣
テーブルを軽く叩き、催促する。本当に何も無いような私の様子に、タジタジになってしまったらしい。少し戸惑い、｢邪魔をする｣と会釈して席に着いたルチアーノ。
私はと言うと、コンソメスープとトースト、バターとジャム、メープルなどをテーブルに並べる。
｢ほい、なんか欲しいものとかある？｣
｢いや、平気だ。むしろ、すまないな……ここまでしてもらっては……｣
｢いいよ、助けてもらったし。心配させちゃったから。この位はするって｣
カチャカチャと紅茶とコーヒーの準備をしながら、少女の様な笑いを浮かべる私。ルチアーノは、ここでも驚いたらしいが、直ぐに目を閉じて、優しく笑った。
｢そうか。すまない｣
｢謝るんなら、感謝してよ｣
｢そうだな。感謝する｣
私も席につき、二人で食前の挨拶を声を揃えて口にする。ルチアーノは、パンにバターだけを塗り、私はメープルを垂らした。甘い。私のパンは、とても甘い。コンソメスープを啜っていると、ルチアーノから話が振られた。
｢あれから……どうした？｣
｢……記憶を消された。何を消されたのかも覚えてないけど。不思議なのは、なんか忠臣が他人行儀なんだよね。でも、何故かよく口説いてくる｣
サクリ。パンが音を立てる。スープを掬って、音もなく啜る。ルチアーノの目は見開かれ、直ぐにまた戻った。
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jazz(プロフ) - デラックスお餅さん» 純粋な感想ありがとうございます！何かネタが降ってきたら書けるんですがね……（笑）「コメント アリガトウゴザイマス。コレカラモ ヨロシクオネガイ シマス」 (2019年1月26日 22時) (
レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
デラックスお餅 - 面白い！次回に期待... (2019年1月26日 20時) (レス) id: 38e0588fa2 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - まっちゃむーしゅさん» ありがとうございます！13は絶対お酒好きだろと思いましてつい← ｢コメント アリガトウ ゴザイマス。アノ二人 ニハ テヲ ヤイテ イマスガ……イワレタ 本人達ハ トテモ喜ンデ イマスヨ｣ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - お酒で直ぐにつられるサティとビッチちゃんがかわええ (2018年12月22日 20時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - ゲスミンさん» ｢ワタシニ コウイヲ ムケラレマシタカ？ムダガ スキナ ニンゲンラシイ コウドウ デスネ。コレカラモ カンサツ ヲ ツヅケテイキマス｣ご愛読、またご感想、ありがとうございます。 (2018年12月10日 12時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2018年11月30日 19時
