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リビングにやってくると椅子に座らされ、キッチンに立ったヌナ
なんとなく姿を目で追っていればぱちり、と視線が合って微笑まれる
慌てて目を逸らせば'ふふっ'って笑い声が聞こえた
...我ながら意識している姿が中学生のように思えてきた
思えば、恋愛...を最後にしていたのは中学生の頃だった
ハッキリと'ヌナが好きだ'と自覚したのもここ数年の話で、練習生の頃から長い付き合いなのに気づいていなかった自分に驚いた
そんなに鈍感では無いはずなのに...むしろ鋭いほうだと思っていたから。
'お待たせ'って声がして目の前に置かれたのはお粥とわかめスープ
こう見えてヌナは料理上手で裁縫なんかも出来てしまう。まさに嫁にしたい条件が揃っている
'うまそ....'と思わず声を漏らせば'ふふ、味は保証できないけど'なんて謙遜する所も更なるポイントだ。
WZ「んま...」
「よかった、ちゃんと形のあるものにしてあげたかったけど体調が悪いみたいだから今日はこれで我慢してね」
目の前の席に座って頬杖をつきながら食べている様子を見ているAヌナ
本来なら嫌になるお粥もヌナが作ってくれたというだけで特別になる
デリバリー頼まなかった俺ナイス、不謹慎だけど体調を崩して良かったと心から思った
WZ「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
よほどお腹がすいていたのか、それともヌナのご飯が美味しかったのか。
鍋にあった分まですっかり食べきってしまってお腹は随分と満たされた
Aヌナが用意してくれた薬も飲んで、すっかり元気になった俺は作業でもしようかな...なんて考える
「今日は安静ね、絶対作業とかその他もろもろしちゃダメよ。お風呂入ってゆっくり休んで」
WZ「.....はい。ありがとうございます、ヌナ」
俺の心を読んだのか、とでも言いたくなるタイミングで言われて肩が跳ねた
Aヌナの言う通り今日は安静にしてよう。明日はレコーディングもバリバリやって、今日の遅れを取り戻して明後日の仕事まで片付ける勢いでやろうと誓い風呂場へ向かった
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はな(プロフ) - ゆるさん» そんなウジさん本当大好きです。私はどうしてもちょっと強引な部分を入れがちなので(自分が作る話ではですが)、あたたかい感じがどうも苦手で。自分が書けない部分のウジさんがここにいるから、最後まで楽しみに読ませていただきます。 (2019年9月29日 1時) (レス) id: 1f6dba33e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - はなさん» 初めまして、コメントありがとうございます!私の中のウジさんは不器用で優しくてあたたかい人なので今作ではそこを活かして書けていたらいいな、と思っていたのでそう言っていただけてとても嬉しいです。読んでくださりありがとうございます! (2019年9月28日 19時) (レス) id: 584b25c438 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 初めまして。ゆるさんの文章凄く落ち着いて読めていいですね。不器用なウジさんがとても素敵です。 (2019年9月24日 0時) (レス) id: 1f6dba33e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤 | 作成日時:2019年8月17日 17時