今日から守護神になります！【野坂悠馬】 (ページ28)

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27話・ボールページ28

私がフィールドに向かうと、普通に練習をしていた。

私は、唖然として「何で？」と言ってしまった。

この記事は間違っているのだろうか。
分からなくなった。

『まだこれは夢なんだ……。絶対夢だ……。日本が引き分けなんて……なんて……。』

私は、ブツブツと呟いた。

『いいい、痛いっ!!!!!』

頬を摘ままれて、痛いと言う。

「夢じゃないんだけど。」

『の、野坂くん……。』

私が頬に手を当てながら彼と向き合った。

『じゃあ、日本の挑戦はこれで終わりなの……?』

野坂「……。」

何も言わないって事はそうなんだ。

野坂「馬鹿じゃないの。」

『へ？』

野坂「まだチャンスはあるんだ。次のアメリカ戦に勝てば……。」

『こ、今度は寝ないで応援するよ!本気で応援する!!』

野坂「あ、そうだ。その件だけど、何があったの?」

『そ、それは……。』

私は、最初にレテさんと会った事を思い出した。

最後に付け加えて言われた言葉、「私の事は秘密にしてね。」を思い出した。

けれど、言わないと……。

『ゆ、幽霊だから時間の感覚が変なんです……!!だから一週間ぐらい眠ってて……。』

嘘しか言えない。

野坂「そうなんだ。」

すると、私の足下にボールが転がって来た。
「取って!」とか言われるけれども、普通なら蹴り返す人が多いだろうが、私は蹴れない。

蹴る勇気など、とっくの昔に捨てた＿＿＿。

野坂「蹴りなよ。」

『え？』

野坂「何、変な方向に飛ぶのが怖いの？別に、初心者なんだから大丈夫だよ。」

『そういう訳じゃ……。』

野坂「じゃあ、蹴れるよね。」

こいつ、悪魔か……。

『あぁ！もうどの方向に飛んだって知らん!!!』

久しぶりに、ボールを蹴った。

方向はちゃんと進んだし、普通の人並みの威力だったと感じている。

野坂「おおー。」

『何かそれ、むかつくんですけど。』

野坂「午後、アメリカの偵察に行くから、お供宜しく。」

『え？』

そのまま、私の横を通り過ぎて行った。