今日から守護神になります！【野坂悠馬】 (ページ18)

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17話・まるでの世界ページ18

『ぅ……ん……。』

私が閉まっていた、瞼を開けると……。
混乱した。

ここは、何処だ。

まさか、誘拐された……?!

ガバっと、寝ていた体を起き上がらせると、首から痛みが感じられた。

寝相が悪かったのだろうか。

窓の外をみると、絵に描いたような綺麗な街並みが見える。

ここは、バスの中だ。

『ほぇー……!!』

アホっぽい声を出す。

すると、変な日本語の声が聴こえる。
前の座席からこっそり顔を出すと、外人が話している。

何かAIに頼ってるけど……。

どうやらイナズマジャパンのバスのようで安心する。

また街並みを見る。
すると、自分が窓に写っていない。

つまり今は、幽霊。

直ぐ様スプレーを出す。

『うわっ……!?』

バスがガタっと揺れ、スプレーが手から落ちる。
そして、コロコロと転がって行く。

悲鳴があげそうになったが、堪えた。

乗っている人達が降りないと取れない……。

皆安心だから、取ってもいいけど、見える人がいるから無理だな……。

しばらくすると、バスが止まった。

どうやら少し観光をするようで……。

皆がいなくなってから、落とし物を取りに行く。

『確か、ここに転がったような……。』

「探し物はこれ?」

『あ、そうですー。って……。』

微笑んで私を見ている、野坂くん。

皆、観光してるのでは……?

野坂「で、何してるのさ。君、日本にいるんじゃなかったけ？」

『うっ、それは……。』

野坂「それに、僕の悪口言ってたよね。」

『す、すみません……。』

野坂「何か僕に不満でも?」

『違います。野坂くんには、不満はありません……。』

「ふぅん。」と、聞く耳も持たなさそうな返事をする。

『ただ、自分に不満があるんです。ここ数週間、初めて会った日、私はいいました。「守護神になる。」と……。けれども、私自身何も……野坂くんを守れてないんです。まるで、昔のように＿＿＿。』

野坂「昔……?」

『野坂くんには、関係無い話です。』

野坂「別に、話して。」