今日から守護神になります！【野坂悠馬】 (ページ13)

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12話・頑張ってページ13

『うわー、人いっぱい来てるねー。』

スタジアムの入り口に沢山の人達がいる。
まだ開始の一時間前だと言うのに……。

私が目を輝かせて見ていると、「あれ、皆……。」つまり、迷子になったのだ。

こんな所で迷子になるもんか。

私が歩き出そうとしたときに、腕を掴まれた。

「迷子になりたいの?ボーっとしてないで行くよ。」

『へーい。』

何と野坂くんが来てくれました。

腕を掴まれながら、スタスタと歩く野坂くん。
何故だか早く行きたいようだ。

『あの、腕離して貰えますか？ちゃんと着いて行くんで……。』

野坂「人混みで沈むと困るから。」

『なっ……。』

選手達の入り口に行くのに、人混みを突っ切る必要がある。

だけしても、ファンからの目が痛いのだ。

『ほ、本当に大丈夫ですから…!!守護神なのに、逆に守られている気がして嫌です。』

野坂「別に人からの目何て気にしなければいいのに。恥ずかしいんだよね。」

『な……!!そんな事ありません!!』

野坂「じゃあ、主人の言うことを聞くんだね、守護神さん。」

彼の方が色々と一枚上のようです……。

めっちゃ忙しいです。
いつも以上に忙しいです。

試合だからと言って、仕事が忙しいのか?!

『次は何ですか?!』

大谷「タオルの予備何処だっけ?」

『どうぞっ!』

神門「これ、運んでおいてくれる?」

『分かりました!』

へとへとで、倒れそうです。

『おっと……。』

「ごめん、大丈夫…?」

『明日人さん?!何やってるんですか?!皆さん探してましたよ!!』

明日人「あ、ありがとう。」

必死になって私は仕事と戦っています。

やっと落ち着いたのは、試合開始前。
私は、ベンチでぐったりと疲れています。

私の楽しみだった試合が楽しめなさそうで悲しいです。

「応援してくれるよね？」

『えぇ、しますよ。』

気力があったらですけどね。
でも、野坂くんからそんな言葉が出てくるなんて……。

『頑張って下さい。』

そういうと彼は、微かに微笑んだのだ。