約束は今も〈２〉 (ページ18)

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芽衣｢うわぁどんどん集まってくるよ…！｣

『早めに席取っておいて良かった』

芽衣｢うん、ほぼ満席に近いんじゃない？やっぱりインターハイともなると違うね｣

茜｢まあそれもあるけど、なんたって相手は最強山王だからね｣

『｢最強山王？｣』

茜｢去年の優勝校、そして3連覇中｣

茜の言葉に息を飲んだ。昨年の優勝校、ということはつまり今年も優勝を期待されていて、観客のほとんどは山王を見に来ている。

そして誰もが山王が勝つと思っているのだろう。でも…

芽衣｢…え〜せっかく見に来たのに負けたらなんか悲しいな｣

『負けないよ』

｢｢え？｣｣

『最強だかなんだか知らないけど、そういう相手の時こそ燃えるのが湘北でしょ。だから勝つ、大丈夫』

｢｢…｣｣

茜と芽衣が驚いたように顔を見合せた。

『え、なんか変なこと言った？』

茜｢いやそうじゃなくて、なんかいいなって思って｣

芽衣｢うん、わかる｣

『え？』

茜｢どんな状況でもさ、Aはいっつも湘北や流川くんのこと信じてるでしょ？それってすごくかっこいい｣

『そう、かな…？』

かっこいいなんて誰にも言われたことがなかったからなんと返したらいいか分からない。でもなんだか少し嬉しかった。

茜｢芽衣！うちらも勝てるって信じてよう！｣

芽衣｢そうだね！きっとその気持ちはみんなにも伝わるはず、全力で応援しよう！絶対勝てる、ね！Aちゃん！｣

『うん…！絶対だよ！』

芽衣｢あっ！出てきた！｣

湘北と山王のメンバーがコートに揃った。

最強山王と湘北の試合が今始まる。