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職員室に入るとなぜかバスケ部の皆が並んでいる。
何をしているのか疑問に思いながらその横を通り過ぎ、小川先生の机までやって来た。
小川「Aお前、数学何点だった」
『数学は…29点ですね』
小川「てことはつまり?」
『つまり、ギリギリセーフ?』
小川「アウトだ」
『ですよねぇ、あはは』
小川「笑い事じゃない」
『すいません』
やっぱりこの話だった。
期末テストに向けて自分なりに頑張ったつもりだったが、努力もむなしく結果は惨敗。呼び出しをくらったというわけだ。
授業では何も言われなかったから多目に見てくれたのかと思っていたのに。
小川「他の教科は良いのに勿体ないな。ちょうどバスケ部のやつらの追試があるから、一緒に受けてもいいぞ」
『バスケ部が?』
小川「主力メンバーの4人が赤点だらけらしい。まったく困ったやつらだ」
『ほんとですね』
小川「他人事じゃねーぞ」
『すいません』
追試をしてくれるのはありがたい。でも果たして追試までに私の数学はどうにかなるのだろうか。
それに一緒に追試を受けたら私が赤点をとったことがバレてしまう。数学の追試を受けるのは誰なのか、バスケ部の会話に聞き耳を立てた。
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作者名:星 たるふ | 作成日時:2023年2月20日 0時