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『何で私の名前知って…「Aちゃ〜ん、どこかな〜」
さっきの人達の声。
そうだった、今私は追われているのだ。一瞬で現実に戻される。
『本当にごめんなさい、今急いでるので…また!』
目の前の彼にもう一度謝り、走り出そうとしたその時
大きな手が私の腕を掴み、引き寄せられた。
一瞬の間に私は壁と大きな体に挟まれ、身動きが取れない。
目の前には学ランの黒い生地、背中には彼の右手が回っていて
まるで
抱きしめられているような…
その事実に気づいた瞬間ぐっと体に力が入って固まり、心臓が飛び跳ねる。彼の背中の向こうを何人かが走っていく音が聞こえた気がしたけれど、それももう分からない。
「行ったか…?」
少し経って彼の体が離れても、鳴り止まない心臓の音。緊張で顔が見れない。
『あの、助かりました、ありがとうございます』
俯いたままそう言うと、返事はないがじっとこちらを見ている気がする。
「…A、」
茜「Aーー!どこにいるのーー!!」
彼が何か言いかけたそのタイミングで、どこからか茜の声が聞こえた。
『あ…私行かないと…』
彼に向かって頭を下げると、その場から逃げるように茜の元へ走り出した。
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星 たるふ(プロフ) - 早桃さん» そう言って頂けると本当に嬉しいです。ありがとうございます!なんとか最後まで頑張ってみようと思います…! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 695404ddf3 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めちゃ面白い!好きです!!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してますぅぅぅ!次の更新楽しみ! (2023年2月12日 12時) (レス) @page32 id: ac42bf1e6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星 たるふ | 作成日時:2023年1月1日 12時