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それからしばらくすると、突然辺りが騒がしくなった。どうやら湘北のみんなが出てきたようだ。


何も無いのはまずいと思って、自販機で買っておいた飲み物を手に立ち上がった。




しかし近づこうにも人が多すぎてその姿が見えない。
人混みをかき分けていくのは気が引ける。ましてや流川親衛隊を押しのけて流川くんに話しかけるなど恐ろしくてできるわけがない。




せっかく今まで待ったが今日は諦めよう、そう思って人だかりに背を向けた。





流川「A」




私を呼ぶ声が聞こえて振り返る。それと同時に人混みの中から流川くんが現れた。




流川「待っててくれたのか」




『あっうん、直接言いたくて。おめでとう』




流川「…ん」





あれだけの事をやってインターハイ出場まで決めたのに、予想に反して流川くんの反応はあまり嬉しそうではなかった。どうしてなのか、首を傾げて流川くんを見る。




流川「試合は勝ったけど、仙道には勝った気がしねー」




『...でも、いい勝負だったと思うよ』




流川「いい勝負は勝ったとはいわねーだろ。試合前あんな事言ったのに」





流川くんはあくまでも勝ちにこだわっているようで、完全に彰くんを抑えることが出来なかったことを気にしているようだった。





『たしかに彰くんを完全に倒すことはできなかったかもしれないけど、流川くんの力があったから今日の試合に勝てたんだと思う。私は、感動したよ。流川くんならやってくれるって信じてたから』




まっすぐ目を見てそう言うと、流川くんは照れたように頭をかいた。




「流川!帰るぞ!」




誰かの声が聞こえて、慌てて手に持っていたペットボトルを流川くんに渡す。



少し話しすぎてしまっただろうか。





最後にまたね、と笑顔で言って離れようとすると、


流川くんの手が私の頭の上にのせられる。





そのまま何度か優しく撫でた後、何も言わずにメンバーの元へ戻って行った。





今のは何だったのか、撫でられた頭に自分の手を当てる。



その様子を見ていた親衛隊の鋭い視線も気づかないほど、しばらく固まってしまった。





流川くんの大きな手が私の頭を.....その事実に顔が熱くなるのを感じる。



時間が経てば無くなるなんて、うそ。



どんどん大きくなるこの気持ちに気づいた瞬間だった。

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設定タグ:スラムダンク , 流川楓   
作品ジャンル:恋愛
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星 たるふ(プロフ) - 早桃さん» そう言って頂けると本当に嬉しいです。ありがとうございます!なんとか最後まで頑張ってみようと思います…! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 695404ddf3 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めちゃ面白い!好きです!!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してますぅぅぅ!次の更新楽しみ! (2023年2月12日 12時) (レス) @page32 id: ac42bf1e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星 たるふ | 作成日時:2023年1月1日 12時

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