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茜「この感じだと、もう展開はなさそうね。A、湘北の方行ってきたら?」
『えっ…』
私の心を読んでいたかのような茜の言葉に驚いた。
『いや、もうすぐ終わるし最後まで見ていくよ』
茜「はぁ…Aって自分が思ってる以上に分かりやすいよ?」
『どういうこと?』
茜「…さっきからずーっと上の空。気になるんでしょ。行きなよ、私もこの試合終わったら向かうから」
『茜…』
茜の言う通りだった。
湘北の試合が始まった時から目ではこの陵南の試合を見ていたが、心ここに在らず。湘北の事が気になっていた。
今すぐ行かなくてはいけない理由なんてない。この試合が終わってから移動したって十分間に合う。だけど、それでも1秒でも早く彼らの元へ行きたいと思ってしまった。
芽衣「Aちゃんの分も私が応援しておくよ、いってらっしゃい」
芽衣の言葉に後押しされその場に立ち上がる。
『ふたりとも、ありがとう…!』
手を振るふたりに背を向け、会場を飛び出た。
茜はいつもそう、私が何も言わなくても分かってくれる。欲しい言葉をかけてくれる。それを察してか、芽衣も合わせてくれる。
自分でも分からなかった私の気持ちに、このとき茜はもう気づいていた。
そして、その様子をベンチから見ていた彼、彰くんも。
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星 たるふ(プロフ) - 早桃さん» そう言って頂けると本当に嬉しいです。ありがとうございます!なんとか最後まで頑張ってみようと思います…! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 695404ddf3 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めちゃ面白い!好きです!!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してますぅぅぅ!次の更新楽しみ! (2023年2月12日 12時) (レス) @page32 id: ac42bf1e6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星 たるふ | 作成日時:2023年1月1日 12時