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体育館へ行くと聞こえるのは、ボールをつく音と、バッシュから出る摩擦音。
バスケなんて授業でしかやった事がないはずなのに、なんだか懐かしいような感じがした。
茜「あっいた!隅っこでドリブルしてる」
芽衣「ちゃんと練習してるのね……顔怖いけど」
真っ赤なリーゼント頭で基礎練習をする彼はとんでもなく目立っていて、これは噂にもなるなと納得してしまった。
「あれ?もしかして芽衣ちゃん?」
芽衣「晴子ちゃん!」
突然走り出した芽衣の後を追うと、そこにはとっても可愛らしい女の子が。
晴子「初めまして、赤木晴子です」
そう言って微笑む姿に、つい見とれてしまった。
話を聞いてみると、晴子ちゃんは芽衣と同じ小学校で、3年ぶりに会ったという。そしてなんと彼女は湘北バスケ部キャプテンの妹らしい。
ここまで似ていない兄妹がいるのか…
晴子「皆はどうしてここへ?」
芽衣「あの赤い髪の子見に来たの」
晴子「あぁ!桜木くんね、実は私が誘ったのよ」
茜「晴子ちゃんが!?すごい勇気ね…」
そうかしら?と首を傾げる晴子ちゃん。なるほど彼女は相当な天然のようだ。あれを見て恐怖心を覚えないだなんて。
晴子ちゃんからその桜木くんに視線を移す。
『なんだか我慢の限界って顔ね』
茜「ほんと、いつ暴れだしてもおかしくないよあれは」
不服そうに練習する桜木くんを見ながら、そんな心配をしていたその時
「「キャーーーッ!ルカワクーーーン!!!」」
耳をつんざくような女の子達の黄色い声援。それと同時に晴子ちゃんの目の色が変わり、コート内の誰かに完全に釘付けになっている。
茜「何事??」
芽衣「流川くんよ、この間話したの覚えてる?」
芽衣の指さす方へ目を向ける。
『ねぇ流川くんてもしかして、あの腕にサポーターつけてる人?』
芽衣「そうそう!」
茜「まだ新入部員なのにファンまでいるのか」
芽衣「たしかにあの顔だものね。
Aちゃん?どうかした?」
完全に停止している私を2人は不思議そうに見ている。
『あの人だ…あの人だよ……』
「「?」」
『私を助けてくれたの、流川くん…!』
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星 たるふ(プロフ) - 早桃さん» そう言って頂けると本当に嬉しいです。ありがとうございます!なんとか最後まで頑張ってみようと思います…! (2023年2月12日 23時) (レス) id: 695404ddf3 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めちゃ面白い!好きです!!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してますぅぅぅ!次の更新楽しみ! (2023年2月12日 12時) (レス) @page32 id: ac42bf1e6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星 たるふ | 作成日時:2023年1月1日 12時