結婚生活22 ページ24
.
『ん…』
「あ、やっと起きた。」
『！』
迷彩柄のパーカーを着て、目が隠れるくらいフードを深く被った男がベットの横に座っていた。
……え？誰。
『！いった…ぁ、』
得体の知れない男に慌てて身体を起こすと、頭に激痛が走る。
頭を抑えながら部屋を見渡す。
…全く見覚えのない部屋だ。地下室のように壁がコンクリートで固められている。
此処は一体…？
そして、この男は誰…？
『………。』
「…へぇ、意外と冷静なんやな？てっきり泣き喚くかと思ったわ。」
男が少し残念そうな顔をする。
その手には小型ナイフが握られている。
もし泣き喚いていたら刺されてたかもしれないとゾッとする。
『…誘拐、ですか？』
唾を飲み込んで男にそう尋ねる。
捏島財閥はお金持ちだ。身代金目当てなのかもしれない。
「んー、せやなぁ。現段階は誘拐やけど、着地点は死やな。」
『えﾞ？私、殺されるんですか？』
「せやで。」
…マジか。
てか、「せやで。」じゃないでしょ！！！
え、私コネシマくんに想いを伝える前に殺されるの？？
そんなの絶対に嫌だ。
『 (逃げなきゃ…っ) 』
ギュッと拳を握り締める。
この目の前の男をどうにかしなければいけない。
「＿無駄やで。」
『ッ、！』
ひんやりとした物が首に押し当てられる。
鋭い痛みと、血の気が引くのを感じる。
「あんただけは絶対に殺さなあかんねん。」
私だけは？何を言っているのか分からない。
でも、このままだと殺される…！
『ｯ、私だって、絶対に殺されるわけにはいかないんです！』
じっとしていて殺されるくらいなら、
悪足掻きして、１％でも生き残る可能性にかける。
首に押し当てられたナイフを手で掴み、
男の頭に向かって手を伸ばす。
『もしｯ、私を殺したら、末代まで呪ってやるからっ、顔を見せなさいｯ…！！』
「！？」
男はまさか私がフードへ手を伸ばすなんて予想していなかったようで簡単に外される。
『 (あ…綺麗な色。) 』
大きく開かれた目を見てそう思う。
宝石のようなエメラルドグリーン。
だけど…
『＿＿大丈夫。泣かないで。』
「！は、ぇ…なｯ…んで…」
男の目から伝わってきた感情…
悲しみ、辛い、痛い、苦しい、後悔、切迫、緊張、焦り、迷い…。負の感情がぐちゃぐちゃになっていた。
彼は素直で優しい人間だ。何か理由があるはず。
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黒狐 - 気づいたら終わってた。あれ相棒いるやんwwwめっちゃ面白いです!頑張って下さい！ (2023年4月25日 15時) (
レス) @page29 id: fb020f6fb3 (このIDを非表示/違反報告)
光 - 終わり!?でも、面白かったです (2023年4月9日 19時) (レス) @page29 id: 6a74bcc34d (このIDを非表示/違反報告)
ルジア(プロフ) - 初コメ失礼します！！文才すごすぎませんか!?すごく面白い作品ですぐに読み切ってしまいました…続き楽しみにしてます！ (2023年3月30日 6時) (レス) id: 3a74c6bd31 (このIDを非表示/違反報告)
牛乳雑巾 - コメント失礼します。emさんの登場ありがとうございます(？)めっちゃ嬉しいです。これからも頑張ってください！ (2022年9月7日 15時) (レス) @page12 id: c198431d55 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - とても面白くて一瞬で読み切ってしまいました。更新、お待ちしております。 (2022年8月30日 10時) (レス) id: c36a6b3b63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あほの田中 | 作成日時：2020年11月29日 1時
