記憶に残る君の声 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:334 hit

最初の声ページ1

うるさい。今の感情を一言で表すならこれだろう。耳元からは

キンキンする声がスマホ越しに聞こえてくる。

キヨ「でさー、ヒラが会いたいって言うからさ来いよ！な？」

あまり彼とは喋りたくはない。耳が壊れそうなのもあるし、

あまり好いてない。彼というのはキヨという名前のうるさい奴のこと

数年前に親友だったこーすけが死んでしまってからは、あまり家から

出たがらない。でも友達は多くて学生時代のときも人気者だった。

憎たらしいったらありゃしない。そんな奴だ。ちなみに、

ヒラというのはキヨに最近できた友人のことらしい。

貴女「行かないと言ってるだろ？仕事が休みの日くらいはゆっくりさせてくれ。」

半分本音、半分断るための口実にすぎないことをいってみる。

キヨ「冷たい奴だなぁ、せっかくお前の好きなパン屋のメロンパン用意してたのに」

バカにされている。

だいたいメロンパンなんて簡単に買える。そんなものでつられるわけない。

キヨ「いっぱい買ったんだぞ！お前のために、1人で食べきれないんだよ。」

いっぱい……。その言葉に惹かれた。チョロいかもしれないがあのメロンパン美味いんだぞ！

貴女「いつ行けばいいんだ？」

きっとキヨもチョロいと思っただろうけど生憎、そんなこと思われても気にならない。

キヨ「んじゃ、明日の昼からな！日曜だし休みだろ」

そんなことを言うと私の答えも聞かずに、じゃあなと電話を切った。