災いの子と呼ばれた少女【2】

episode**69 ページ21

「…ど、ドクターはいませんか…っ！？」








街の真ん中で叫び医者を探すが、お金なんて持っていない私の言葉に耳を貸してくれる人なんていない。



あちこち切れた所からの血が鬱陶しく体に流れる。









「お嬢さん、怪我してるねぇ。おばさん、ドクターではないけど手当はできるよ？」


「…ありが、『国の重大なニュースです。行方不明になっていた我が国の王子キョウ様が毒を盛られ、重体です。』…っ、！？」









話しかけてくれた叔母さんに礼を言おうとしたら街に設置されているスピーカーからアスラーの声が聞こえてくる。


ついに、動き出した。









『毒を盛った犯人は逃走中。外見は10代の少女。黒髮で紅色の瞳をしている。身につけているのは赤いマフラー。見かけたものは即座に捕まえてくれ。』


「…黒に…紅色の瞳………赤いマフラーっ！？あ、あんたかい！？は、犯人よぉ！！」


「ち、違う…！私はキョウちゃんを助けたいだけ…っ！」


「助けてぇ！私も殺される！！！」









手を伸ばして興奮する叔母さんをなだめようとするが、怯え逃げてしまった。




その姿は、私の故郷の人々と被る。




沢山集まってくる人達に恐怖を覚え、私は森の方向へと逃げた。









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