災いの子と呼ばれた少女【2】

episode**67 ページ19

「一体、何がしたいの…っ？」


「王家を滅ぼし、俺が王となる。」


「王になりたい為だけにキョウちゃんを…！？それに、何で私を連れ去ったの！？」


「お前を連れてきたのは、キョウを殺した犯人へとなすりつける為さ。この街のものではない事はぶつかった時に分かったしな。丁度いい人物が流れてきたと思ったさ。」









開いた口が塞がらない。


ぶつかった事がこんな事に繫がるなんて思いもよらなかった。




私がぶつからなかったら…皆と離れる事はなかったのに。









「ぅう…。」


「ぁ、キョウちゃん…っ！」


「ふん。無様に苦しんで死んでいけ。」


「アスラー！待て！！！」









扉を閉めるアスラーに叫ぶがそれは届かない。


どんどん苦しそうに息をするキョウちゃんをみる。




助けないと…、

お医者さんを呼ばないと…




でも、ここには居ない。

私しか居ない。




ここに居たのがチョッパーだったら…


そう考えてしまう。






でも、ここに居たのがサンジだったら

きっと自分に出来る最大限のことをやるだろう。









「私ができる事……。」









チョッパーを探してキョウちゃんを助けてもらう事。


キョウちゃんから離れる。









「A……、」


「お医者さん連れてくるから待ってて！」









言いながらような形で、


私は助走をつけ、窓に体を突っ込んだ。




ガラスは飛び散り、破片が私へと降ってくる。

頬をかすめ肌が切れる。



だけどそんな事構ってられなかった。




結構建物は高かったみたいで地面へと落ちていく、

サンジから貰ったマフラーを飛ばさないように掴みながら木をめがけて落ちた。









.

episode**68→←episode**66

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す