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『で?お仲間さんはどこにいるの?』
下水で溺れかけてた天人を引きずり出し、腕とパイプを手錠で結ぶ。
天人は口を割る気はなさそうだった。
『拷問とかしたことないんだよなぁ……ほら、早く吐けー』
「どきな、A」
『あれ、副長。いつの間に復活したんです?』
「心底不本意だが下水を飲んでなんとかした。こうでもしなけりゃ死ぬかもしれんかったからな』
『あ、だからさっきから口からドブみたいな臭いするんですね』
「殺されてぇのか。おい総悟、復活したなら犯人吐かせるの手伝え」
「ゲボロロロ…………土方さん、あんた異常でさァ。ウエッ」
『珍しい、総悟隊長が弱くなってる』
「うるせぇ……おいA、手錠の鍵貸しやがれ」
『え?あ、はい』
総悟隊長は私から手錠の鍵を受け取ると、天人の手錠を外し、そのまま迷いなく天人を下水道に突っ込んだ。
「オラァァァァ!!なーにのんびりしくさってんだ、いいからとっとと仲間のこと吐きやがれェェェ!!」
「ギャアアアア!!冷たい!寒い!痛いぃぃぃぃぃ!!」
「ゴチャゴチャ抜かすのは吐いてからだろうがァァァ!!」
『荒れてますね、総悟隊長』
「下水飲んだせいだろ。サドとか以前にあれは屈辱以外の何者でもねぇからな」
そう言いながら土方さんは、総悟隊長と一緒に天人を下水道に突っ込んでいる。
危なかった。飲まなくてよかった。いや本当に。
『いやーそれにしても、吐いてくれてよかったですね』
「全くだ。いやー、正直に吐いてくれて俺たちは嬉しいぜ?なぁ総悟」
「今回ばかりは土方さんに同意しまさァ。やっぱり、話せばわかるってもんなんですねぇ」
そう言いながら2人は天人を挟み、威圧するように歩く。傍から見れば天人が被害者だ。
天人曰く、仲間たちはとある廃工場のタービン室にいるらしい。
外は灼熱で歩けないため、地下から仲間のいる工場の近くのマンホールまで行き、突撃する寸法だ。
「あ、あのぅ……地球からは退散するので、どうか、見逃してもらえませんか?」
「「『は?』」」
「ヒィッ!」
「おいおい、テメーなんか勘違いしてねぇか」
「俺達ァ別に真選組としてこんなことしてるんじゃねーんでさァ」
『アンタらのせいでこっちはエアコンつけることが許されず、私はアンタのせいで殺されかけ、挙句この2人は泥水すするはめになってんの』
「「『その落とし前は、きっちりつけねぇとなァ?』」」
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作者名:おさくら | 作成日時:2020年5月7日 0時