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『容態が急変したんです。医者が言うには……今夜が峠だって』
私の言葉に、返事をする人は誰もいなかった。
いや、返事をする気力すらなかったんだろう。
そのぐらい、誰の目からもミツバさんの未来は明らかだった。
この人は、もう助からないと。
『すみません、トイレ』
あれから数時間。
私は、誰に言うでもなくそう言うと、トイレにこもってただただぼんやりと天井を眺めていた。
死ぬ、のか。
人が死ぬのは見たことがある。
それが身近だったり他人だったり、その辺は様々だ。
「総ちゃんをよろしくね」
その言葉の意味を、今更ながらにようやく知って、熱い鉛を飲み込むような気分になる。
よろしくね。だって。
『キツイなぁ……』
泣きそうになるのをぐっと堪え、そろそろトイレから出ようとドアノブに手をかけると、ふと違和感を覚えた。
『刀……こんな重かったっけ……？』
重い。たったそれだけなのに感じる強烈な違和感に軽く首をひねる。
刀そのものの重さではない。
刀ではない、得体の知れない生き物を抱えているような感覚だった。
『…………』
誰かが廊下を走る音に、ハッと我に返る。
慌ててトイレから出ると、近藤さんや山崎達隊士が目の前を横切っていった。
ミツバさんの病室に戻ると、そこには総悟隊長が1人残っていた。
「随分と長い便所だったな」
『ここのシーン長くて書くの大変なので伏線にさせてもらいました。あ、でもこのシーンは近藤さんの言葉にすごい感動するので読者のみなさんは銀魂16巻を買ってしっかり読んでくださいね』
「おい、誰と話してやがるんでィ」
『いえ別にー。じゃ、行きましょっか』
「あ？」
『ミツバさんに言われたんですよ。総ちゃんをよろしくねって。だから行きましょうか、総ちゃん』
「……その呼び方やめろぃ」
『同心のパトカーはっけーん！すいませんこれ真選組が借りますね』
「え！？あっ、ちょっと！」
「オメー、車運転できんのか」
『アクセルってこれで合ってます？』
「……事故っても文句言うなよ。俺昨日から寝てねーんだからよ」
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作者名：おさくら | 作成日時：2020年5月7日 0時
