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土方さんの声とともに隊士らの一斉突入が始まった。
土方さんは先程のやり取りなどなかったように白髪のもとへ走り、沖田さんはいつもの奔放さであっという間にいなくなってしまった。
さて私は……と!
「ほあちゃアアアアア!!」
『っ!』
どうやらいつの間にかチャイナ娘の乱闘に巻き込まれていたらしい。
飛んできた隊士を受け流し、チャイナ娘の前に立った。
『すごい。細いのに、うちの隊士10人投げなんて』
「お前……女アルか?」
『うん。ねぇ、友達にならない?歳の近い女の子の友達、私あんまりいないんだよね!』
「…いいネ。お友達アル!私神楽ヨ!」
『神楽ちゃん!私はA!』
「いやアンタら敵同士なのに友達なるってどういう事!?」
隊士のツッコミもよそに、私は仲良くなった神楽ちゃんとガールズトークに花を咲かせていた。
神楽ちゃんは別の星から来た天人らしく、夜兎族とかいう強い種族なんだとか。
『神楽ちゃん、大変だったんだね……』
もうこのまま神楽ちゃんとの会話だけでいいんじゃないか……。
そう思ったのもつかの間。そう簡単にいかないのが真選組なのである。
「A〜。危ねぇぜ」
聞き覚えのある声と同時に広がる爆発音。
声の主はやっぱり沖田隊長だった。
『……何してんですか!?』
「いやぁわりぃわりぃ。チャイナから助けようとしてうっかりしたぜぃ」
『嘘つけぇ!白々しいんですよこのドS馬鹿!』
「神楽ぁぁぁ!テメッ何してんだこの馬鹿!」
爆発音を聞きつけてか、大急ぎで駆けつけた白髪男に神楽ちゃんはあっという間に連れていかれてしまった。
『あー!神楽ちゃん……』
「おい、行くぞ。ここはテメェとチャイナのピクニックじゃねぇんでぃ」
『はーい……』
渋々沖田隊長の後をついて行き、隠れている部屋の前まで迫る。
堅実な土方さんは、部屋の周りをバズーカで取り囲み、後ろに私たち一番隊を配置した。
神楽ちゃん……短い間だったけど、友達としていれて嬉しかったよ……。
小さく溜息をつき、刀を構えた次の瞬間。
目の前に神楽ちゃんが飛び出してきた。
『ぶっ!!』
と言っても慌てて飛び出してきた神楽ちゃんに巻き込まれて蹴り飛ばされたんだけど。
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作者名:おさくら | 作成日時:2020年5月7日 0時