花と華【銀魂】 (ページ16)

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『～～～♪』

お洒落をして外を歩くだけでこんなに楽しくなんて。
無意識に足取りが軽くなり鼻歌を奏でてしまう。
まるで私、女の子みたいじゃないか！

『すみませーん。スペシャルチョコレートパフェ1つ！』
「かしこまりましたー」

『猫ちゃん……可愛いなぁ……』

『ｳｯ,やば……泣ける……ｳｩ……』

前から食べたかった期間限定のパフェ。
前から行きたかった猫カフェ。
前から見たかった映画。
身につけたかったものを身につけてるからか、自然と心が軽くなっていく。
あー、楽しい楽しい楽しい！！

仕事が忙しいと出来なかったことが出来る、やりたかったことがやれる楽しみが体を駆け巡る。
そうだ、ちょっと遠出だけど、やっぱり海に行ってみようかな……。

「真選組一番隊副隊長。AAとお見受けする」

足が止まる。振り向かずとも私に向けられた言葉なのは明らかだった。
聞いたことの無い男の声だ。
わざわざ声をかけてくるあたり、おそらく攘夷浪士だろう。

『人違いですよ』

「いつもの隊服はどうした？随分と奇抜な格好だな」

『ワンピースって言うんですよ。私、今最高に楽しい休日をエンジョイしてるんです』

「ハッ、血も涙もない奴らばかりだと思っていたが、そんなものを楽しむ情緒があったとはな！」

男の声に他の攘夷浪士達が笑う。
一体何がそんなに面白いのだろう。

「見たところ貴様、丸腰と見える。せっかくの休日を血で染めるのはなかなか悲しいが、好機を逃すほどこちらも愚かではないからな」

攘夷浪士たちが私を取り囲む。
もう逃げられない、そう確信して私はため息とともに頭をかいた。

『空気読めないなぁ。そんなんだからお前らろくな人生歩めず婚期逃して攘夷浪士なんかになるんだよ！働け馬鹿野郎！！』

「ははは！この状況で自棄になったかぁ？斬り殺せェ！！」

男の言葉と同時に、刀が私に襲いかかった。