第6話 ページ8
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「なぁー、サム。今日の部活なんやけどさぁ」
「おん、どしたん？」
ある日の午前中。
休み時間に治くんの元へやってきたのは、隣のクラスの侑くんだ。
飲みさしのペットボトルを片手に、治くんと話し込んでいる。
何を飲んでいるのか気になって侑くんの方を見ると、新発売の炭酸ジュースを持っていた。
それは私も気になっていたもので、感想でも聞けないかなぁと考えていると、本人から声をかけられる。
「清宮さん？やったっけ。どしたん？」
「え？ 何が？」
「いや、さっきから俺のこと見とるから」
「あ、侑くんの持ってるジュース、私も気になってたやつでさ。美味しいのかなって」
特に嘘をつく必要も無かったので、素直にそう答えた。
すると、彼は大きな瞳をキュッと細めて笑って、そのままペットボトルを私に差し出した。
「……なに？」
「気になるんやったら飲む？」
「いや、ごめん、そんなつもりで言ったんじゃないよ！？」
タダで物を強請る女と思われたようで、すぐに拒否する。
侑くんは「別に一口ぐらいええよ！」と差し出したままだ。
「ええやん、ツムがタダで物あげることなんか滅多に無いで」
「え、本当にいいの？」
彼からペットボトルを受け取って、キャップに手をかける。
ていうか、これ、あれだ。
関節キスってやつだ。
侑くんは気にしないタイプなのかな、と思いながらキャップを開けてしまえば、もう飲むしかない。
そして、私がそれに口をつけようとした瞬間、後ろからペットボトルが奪われる。
「それ、俺にちょうだい」
「は！？ 角名にあげるとは言うてないけど！？」
その犯人は倫太郎くんのようで、一口飲むとすぐにペットボトルを返してくれた。
「んー、俺は好きじゃないかな」
「いや人のもの飲んどいて文句はナシやろ！」
倫太郎くんからの感想が気に入らなかったようで、侑くんは怒っている。
しかし、そんなことがどうでもいいぐらい、私は目の前のペットボトルをどうしようか悩んでいた。
このまま飲んでしまえば倫太郎くんとの関節キスになる。
チラッと倫太郎くんを覗き込むと「Aの口には合うといいね」なんて笑っていた。
飲まないという選択肢は残されていないようで、改めて意を決してそれを流し込む。
弾けるシュワシュワ感と、爽やかな甘み。
これなら私も買いたいな、と思いながら侑くんに返す。
「ありがとう！ 私は好きかも」
「やろ！？ やっぱりこれ美味いよなぁ！」
普段飲んでる炭酸ジュースよりも変に甘く感じるのは、倫太郎くんが飲んだ後に飲んだからかな。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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吉田はるさめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ くろおくんですね！ いつかまた書きたいと思っているので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです☺️ (3月14日 13時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 最高これからもいろんな作品を作ってください黒尾くんもできればよろしくお願いします (3月13日 18時) (レス) @page28 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 湯棚さん» コメントありがとうございまーす！ 最後までお付き合いいただき、感謝感謝です✨ (12月30日 7時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
湯棚 - キュンキュンが止まらないっ！完結おめでとうございまーす！！ (12月29日 21時) (レス) @page26 id: ec9d942a77 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 天さん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございました！ 「キュン」を届けられていたのならこちらも嬉しいです☺️ (12月29日 10時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年12月18日 1時
