第2話 ページ4
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一日の授業が何事もなく終わった放課後。
四階の一番奥、特別教室の鍵が奇跡的に開いていたことを知っていた私は、そこに角名くんと向かっていた。
一緒にそこに入りドアを閉めてしまえば、あっという間に二人きりの空間が出来上がる。
「角名くん、時間取っちゃってごめんね。来てくれてありがとう」
「俺は全然。それで、話って？」
すぐに本題に入ろうとする角名くんに、私は少し焦った。
いつも通り落ち着いた表情をしている彼を見て、朝の会話を思い出しながら、心の準備ができていないのは私の方だな、なんて。
勿体ぶる話でもないし、角名くんを早く開放してあげたいと思った私は、開口一番に本題をぶつけた。
「あのさ、角名くんって、毎日私に可愛いとか好きとか言うでしょ。そうやってからかってくるの、もう辞めてほしいんだよね」
「……別に、からかってるつもりなんて無いけど」
あ、そうきたか。
私的にはあっさり「分かった」と了承するものだと思っていたから、否定されたことにびっくりした。
私が何も話さないままでいると、お互い黙ったままの重い空気が流れる。
何とか打破せねばと思い、必死に頭をフル回転させながら、次の言葉を探した。
「んー、私好きな人いるからさ。その、そういうの困るっていうか」
初めて伝えた私の本音。
その好きな人、というのはもちろん目の前の角名くんのことだけど。
好きな人がいるのも、角名くんからの言葉に困っているのも本当だから、嘘は一つもついていない。
角名くんはどう思っているのかはよく分からない。
表情を一ミリも変えずに、私を見下ろしていた。
「男の子が女の子を褒めるのって、彼氏の特権？みたいな感じじゃん。だから、」
もう辞めて。
そう紡ごうとした瞬間。
それに被せるように、角名くんは話し出した。
「つまり、俺が彼氏になれば、毎日Aに好きとか可愛いとか言っていいってこと？」
「え？」
思ってもみない角名くんからの返事に、私は固まった。
いや、合ってるけど。
間違ってはないけど。
「その彼氏の特権ってやつ、俺にちょうだいよ」
「待って、え？」
予想外のその言葉を聞いて、私は頭が真っ白になる。
「だから、それまでは今まで通りAに言いたいこと言わせて」
「え、角名、くん……？」
待って、私どこで間違えた？
そう聞いても、答えてくれる人なんて、二人きりのこの空間には誰もいなかった。
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吉田はるさめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ くろおくんですね！ いつかまた書きたいと思っているので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです☺️ (3月14日 13時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 最高これからもいろんな作品を作ってください黒尾くんもできればよろしくお願いします (3月13日 18時) (レス) @page28 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 湯棚さん» コメントありがとうございまーす！ 最後までお付き合いいただき、感謝感謝です✨ (12月30日 7時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
湯棚 - キュンキュンが止まらないっ！完結おめでとうございまーす！！ (12月29日 21時) (レス) @page26 id: ec9d942a77 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 天さん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございました！ 「キュン」を届けられていたのならこちらも嬉しいです☺️ (12月29日 10時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年12月18日 1時
