最終話 ページ23
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「倫太郎くんって意外と大胆なことするよね」
「それを受け入れてるAも大概じゃない？」
私たちが両思いだと分かった次の日の朝。
玄関でたまたま鉢合わせた彼は、そのまま私の手に指を絡めてきた。
初めて手を繋ぐのが恋人繋ぎなんて、もちろんびっくりしたけど、凛太郎くんから誘われれば受け入れる選択肢しかない。
「彼氏の特権奪えたんだし。Aと色んなことやりたいの」
「じゃあ、これからはデートしたりキスしたり、やることいっぱいだね！」
倫太郎くんとキスかぁ。
遂に私も大人の階段を上るって感じだなぁ。
二人の未来のことを考えているとワクワクしてきて、何も考えずにそんなことを口にした。
でも、その言葉を聞いていた倫太郎くんは、驚いたように目を見開いた。
「……Aとキスとか考えただけでヤバい。今したらダメ？」
「ダメに決まってるじゃん！ 倫太郎くんバカなの！？」
今度は私が驚いてしまい、大声で抵抗しようとする。
その声が聞こえていたのか、侑くんが教室から廊下を覗き込んだ。
「おー！ 角名と清宮さん！ おは、よう……」
教室からひょっこり顔を出した侑くんは、私たちの繋がれた手を見るや否や、挨拶の声が小さくなっていく。
「は！？ お前ら、は！？」
びっくりした顔の侑くんが面白くて、思わず笑ってしまう。
倫太郎くんも隣で笑うと、繋がれた手を侑くんに見せつけるように上に掲げた。
「俺とA、付き合うことになったから」
侑くんは「信じられない」といった様子で、私と倫太郎くんを交互に見ている。
そしてやっと頭で理解できたのか、すぐさま一組へと駆け込んだ。
「おい、サム！ 清宮さんと角名付き合うとるぞ！ 手ぇ繋いどる！」
一組どころか、廊下にまで響き渡る声で叫ぶ。
治くんも何事か、といった様子で扉の方に向かってきた。
「ちょっと調子のったかな。めんどくさいことになりそう」
「私は大歓迎だよ。だってさ、」
耳打ちしようと、口元を耳に近づける。
つま先立ちするだけでは届かないから、倫太郎くんは少し屈んでくれて。
「倫太郎くんと面倒事に巻き込まれるなんて、″彼女の特権″じゃない？」
私の言葉を聞いた彼は、ゆっくりと体制を戻すと綺麗な弧を描くように口角を上げた。
「何それ、めっちゃ良いね」
「これからは、″それ″もたくさん頂戴ね！」
「もちろん、全部Aにあげるよ」
固く繋いだ手は離さないまま、これから貰えるたくさんの″特権″を想像しながら、私と倫太郎くんは笑い合った。
Fin.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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吉田はるさめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ くろおくんですね！ いつかまた書きたいと思っているので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです☺️ (3月14日 13時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 最高これからもいろんな作品を作ってください黒尾くんもできればよろしくお願いします (3月13日 18時) (レス) @page28 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 湯棚さん» コメントありがとうございまーす！ 最後までお付き合いいただき、感謝感謝です✨ (12月30日 7時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
湯棚 - キュンキュンが止まらないっ！完結おめでとうございまーす！！ (12月29日 21時) (レス) @page26 id: ec9d942a77 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 天さん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございました！ 「キュン」を届けられていたのならこちらも嬉しいです☺️ (12月29日 10時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年12月18日 1時
