7コール目 ページ8
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この席になって、北さんがこの教室に来るようになって。
毎日が本当に楽しくてドキドキして。
そんな日々をこれからも送っていたかった私は、担任からの一言に目を丸くする。
いや、ほぼ絶望と言ってもいいかもしれない。
「じゃあ、明日のホームルームで席替えするから学級委員はくじ作っといてくれー」
「最悪……」
これは、今回の席替えをした直後にも思った。
そして、まさかこの席を離れられる日にも、同じ言葉を使うとは思っていなかった。
「明日席替えだって！ ……まぁ、良かったねとは、もう言えないか」
お弁当を食べている時間、目の前に座った香帆はそう言った。
そりゃ、北さんと出会う前の私だったら素直に喜んでいただろう。
でも、もう前までの私とは違うのだ。
「席変わったら、さすがに北さんも来なくなるよね？」
「んー、でもわざわざ教室に入ってきてまで話すなんてことは無さそうだよね」
香帆からの言葉に、私は肩を落とす。
分かってはいたけど、いざ第三者からきちんと言葉にされるとダメージが格段に違う。
「じゃあどうしたらいいと思う？ 席変わっちゃったらもう話しかけてもらえないだろうし……」
この席から離れてしまえば、もう北さんとはお話ができなくなるだろう。
私が″たまたま″この席になって、北さんが″たまたま″ここを通りかかって、″たまたま″話しかけたことで繋がれていた関係なのだから。
でも、私の北さんへの恋心はそんな″たまたま″で諦められないぐらいには成長していた
目の前の彼女は真剣に考えてくれているようだ。
「うーん、じゃあ、LINEでも聞いちゃう？」
「えぇ！？」
そんな、軽いノリで言わないでくれ、とびっくりする。
「LINEとかそんな……」
「何怖気付いてんの？ このチャンスを逃したら、一生北さんとお話できなくなって、北さんが別の女の人と歩いている姿を目撃するだけのモブになってしまうかもしれないんだよ！？」
「それは嫌！！」
それだけは避けたい。
北さんが別に彼女を作って、それをハンカチを噛みながら悔しがるだけの女の子にはなりたくない。
「よし、じゃああとは運良く北さんが来るのを待つだけだね」
「北さん、五時間目終わった後に来るかなぁ」
どうか今日、北さんがここに来ますように。
そう強く願いながら、五時間目の授業を過ごした。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです！！ (12月31日 15時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした！ (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ！ ありがとうございます！！ (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです！ (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年11月6日 0時
