最終コール ページ27
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北さんは包まれた右手に目をやりながら、話を続けた。
「でも、最終的に告白してくれたのはAちゃんやったやん。もしかしたら、俺はずっと告白せんかったかもしれんし」
「でも、私のあれだって、友達に唆されてやっただけというか……」
そう言った後に、少し失礼だったかもしれないなと思いながら、手を離そうとする。
北さんはこの言葉を、どう受け取ったのだろうか。
「あんな、Aちゃん、」
そして今度は、机の上から逃げようとしていく私の両手を北さんがしっかり掴んだ。
まるで子どもに言い聞かせるように、言葉一つひとつを丁寧に頭に染み込ませるように、私の目をその焦茶色の瞳が覗き込む。
「友達に唆されただけかもしらんけど、あの電話が、Aちゃんのワンコール分の勇気があったおかげで、今俺はAちゃんの隣におれる」
「やから俺は、Aちゃんに感謝しとる。選んでくれて、電話をかけてくれて、ありがとう」
少しまじめに話していた北さんのの顔がほころんだ。
私は首を静かに横に振った。
感謝しないといけないのは、私の方だ。
「でも、北さんが私のことを好きでいてくれたから。話しかけてくれたり、カイロをくれたりしたから、私も行動できたんだと思います」
「私に行動してくれる勇気をくれて、ありがとうございます！」
北さんは数回の瞬きを繰り返した後、吹き出すように笑った。
「ほんま、Aちゃんには適わんなぁ」
「北さんこそ！！」
私たちがこうして結ばれているのは、私の勇気があったからなのかもしれない。
でも、その勇気を与えられるまでの間に、北さんはたくさんの勇気を私のために使ってくれていたのだろう。
どんな過程を歩んでいようとも、今二人が一緒にいる結果は変わりはしないのだと、幸せを噛み締める。
「いい加減、北さんって呼ぶのも辞めさせんなんな」
「そんないきなり！？ その勇気は、まだ持ち合わせてないです……！」
「なんで？ 言ってや、信介くんって」
「だから待ってくださいって！！」
ブレザーを着ているだけでは、寒さを凌げなくなってしまったこの季節。
それでも確かな温もりを感じるこの和室で、 余裕のある北さんの笑い声と、焦ったような私の声がいつまでも響いていた。
Fin.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです！！ (12月31日 15時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした！ (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ！ ありがとうございます！！ (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです！ (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年11月6日 0時
