25コール目 ページ26
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進級してから?
すぐ??
それって。
「半年以上も前じゃないですか!!!!」
「おん、そうや」
大声で驚く私にはびくりともせず、北さんはこくりと頷いた。
いや、そもそも四月の時点で私たち接点あったっけ?
いや無かったと思う。席替えして、初めてあの席になって北さんが話しかけてくれて。
そこで私は初めて北さんを認識して、侑くんに北さんのことを聞いて……。
頭の中で一人悶々と考えてるいると「まぁそうなるよな」と北さんが笑った。
「学年変わって、たまたま侑に用があって二組に行った時にAちゃん見かけてん。それが始まりやったなぁ」
たしかに侑くんも言ってたな。
北さん、何回か教室に来たことがあるって。
「気付いたら目で追うようになっとったし、廊下ですれ違う時も『あ、あの子や』なんて思うてしまうし。でも名前も知らん学年も違う女の子に、どう接点作ればいいかも分からんし」
北さんが少し、お茶を啜る。
「声かけれるようなタイミングも無いしどうしようかなとか悩んどった時に、席替えしとったの見つけて」
「え、だから話しかけにきたんですか?」
二人の物語が始まったであろう、その日のことを思い出す。
北さんの中では、とっくに始まった物語ではあったけど。
「おん。そもそも、あん時の用事は別に侑やなくてもよかったしな」
その言葉を聞いて、更に目を見開いた。
私が″たまたま″で繋がれていたと思っていたその関係は、既に北さんによって″意図的に″作り上げられたものだった。
どこまでいっても、この人は策士だ。
「でしゃばったかなって思うたけど、後で侑にAちゃんが俺のこと認識してなかったって聞いて、今では声かけて良かったなって思っとるよ」
「知らなかったです、北さんがそんなに前から私のこと好きだったなんて……」
「長々とすまんな」と言いながらまたお茶を飲む北さんに、「どうして話してくれたんですか?」と聞いてみた。
「なんでこんな結果になったんか、考えとってん」
「結果?」
「俺がAちゃんに好きって言えんかった理由。昨日考えて、半年以上も片想いしとったら、好きって思うても言えん時の方が多かったから、それに慣れとったんやろうなって」
「アホみたいやろ」と少し自嘲気味に笑う北さんの右手を、私はそっと両手で包んだ。
「全然、そんなこと無いです。何度も好きって言葉、もう貰ってますから!」
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです!! (12月31日 15時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした! (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ! ありがとうございます!! (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです! (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吉田はるさめ | 作成日時:2023年11月6日 0時