23コール目 ページ24
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次の日。
部活が終わった北さんに連れてこられたのは、彼の自宅だった。
昨日電話でたくさん甘い言葉をくれた北さんだったけど、なぜかどこに連れていくのか、何を食べるのかは全く教えてくれなかった。
「Aちゃん、お腹すいとる？」
「はい、言われた通りお昼食べてきてないので！」
「なら良かったわ。俺ん家連れてくし」
「…………は！？」
北さんを待っていた校門で、そんな話をしていたのが記憶に新しい。
「家に行くって分かってたらもっといい服着てきたのに……！」と言ってしまえば、「今は家に誰もおらんから大丈夫や」と返された。
……そっちの方が大問題な気もするのは、私だけなのかな。
「本当に、誰もいないんですか？」
「だから誰もおらんって」
昔ながらの立派な日本家屋を目の前に立ち尽くし、未だに意味の無い確認を続ける私に、北さんは若干呆れた目を向けてきた。
「おった方が良かったん？」
「いや、そういう、わけじゃないですけど……」
立ち止まっていても仕方がないので、恐る恐る中に入れば本当に誰もいないようで、中からは何も音がしなかった。
北さんが小さく呟いた「ただいま」に、私も一瞬釣られそうになって、いつからここが私の家になったんだと笑いそうになる。
「Aちゃんって、ほんまに考えとること分かりやすいな」
履きなれた靴から足を解放しながら、北さんはそう言った。
「はい？」
未だに靴を履いたままの私をお構い無しに、北さんはそのまま家の廊下に立ち上がって私を見下ろした。
いつもより生まれる身長差に、非日常を感じる。
「″まだ″俺はそんなことを言える自信は無いけど、いつかAちゃんがこの家に″ただいま″って言うようになったらええなって思っとるよ」
「………………え？」
心の中で思っていたことを当てられるどころか、ちゃんと北さん自身からの返事も貰ってしまった。
もちろんびっくりしてしまったけど、余りにも嬉しすぎるその言葉に少し頬が緩む。
「北さんって、そういうところは結構積極的ですよね！」
「Aちゃんにだけ、やな」
こんなこと言われて優しく笑ってくれる北さんの表情を見てしまえば、私の幸せゲージはとっくにカンストしてしまう。
「ところで、いつまで靴履きっぱなしでおるん？」
「あ、待ってください！ 今脱ぎますから！」
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです！！ (12月31日 15時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした！ (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ！ ありがとうございます！！ (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです！ (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年11月6日 0時
