22コール目 ページ23
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『でも、あの時のAちゃんもこんな気持ちやったんかなって思うと、可愛くて可愛くてしゃあなくて』
……ストレートすぎる。
あまりにも、直球勝負すぎる。
『あれ、ちごうた?』
「ちが、わないです……」
さっきまで少し不機嫌になっていた気分はどこへやら、北さんがコロコロと私のことを甘やかしてくれている気がする。
『思わず脈絡も無く言ってしまったんやけど、一回言ってしまうともうダメやな。限りがないゆうか、止まらんくなるゆうか』
……なんだ、私。
あんなに不安がってたけど、そんな必要なかったんだ。
『なんで今まで言ってこんかったんか分からんぐらい、俺Aちゃんが好きみたいやねん』
時計の針の音だけが響くぐらいの静かな部屋で、耳元で、たしかに北さんの声だけが、私の耳元の心地よく届く。
『Aちゃん、大好きや。愛しとるで』
北さんから貰える甘い言葉がキャパオーバーだった私は、とうとう涙が堪えきれなくなり、嗚咽を漏らした。
「き、北さん、どう、しちゃったんですか……?」
『んー?拗ねとる彼女に思っとることそのまま伝えとるだけやけど?』
「ずるいです、北さん、ほんっとに……!」
こんなに泣くのは保育園の時以来だ、と思ってしまうぐらい涙が止まらない。
ぼろぼろ溢れてくる涙は、次から次へと頬を伝って、今の感情を制御させることで精一杯だった。
『怒ったり泣いたり、俺の彼女はほんまにかわええな』
「北さんのせいじゃないですか!!」
スマホの向こうからは、短い笑い声が聞こえてきた。
北さんってほんとに、意地悪なところがあるというか私で遊ぶのが上手いというか……。
『彼女が泣いとるんに、すぐに抱き締めてやれん彼氏でほんまに申し訳ないな。明日会えるの楽しみにしとる』
「私の方が、楽しみです……!」
『嬉しい言葉やけど、そんなとこで張り合ってもしゃあないやろ』
確かに、それはそうかもしれないけど、でも私の方が会いたいって気持ちが強いって自信が何となくあって。
『明日、一緒に飯食いたいから食べずに来てほしいんやけど、ええ?』
「もちろん、大丈夫ですよ!」
最後に「長いこと話してしまってすみません」と謝れば、『電話をかけたのは俺なんやから、Aちゃんが謝ることないよ』という嬉しい言葉。
私にはもったいないぐらい、北さんは素敵な人だ。
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです!! (12月31日 15時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした! (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ! ありがとうございます!! (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです! (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吉田はるさめ | 作成日時:2023年11月6日 0時