2コール目 ページ3
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次の休み時間、私は思い切ってあまり話したことの無い侑くんに話しかける。
男女問わず人気者な彼に話しかけるには相当な勇気を要したけど、そうしてでも、今はさっきの男子生徒のことを知りたくてたまらなかった。
「ね、侑くん」
「ん、なんや？」
「あの、さっきの休み時間に来てた人、誰？」
いきなり話しかけてきた私に、特にバリアも張らずに会話を受け入れてくれた彼の懐の広さには、頭が下がる。
侑くんは少しの間誰のことか考えていたようだけど、しばらくして一人の名前を出した。
「もしかして、北さんのことか？」
「その人なのかな。髪の毛が全体的に色が薄くて、毛先だけ少し黒い」
「やっぱり北さんやんけ……」
侑くんはげんなりとした顔をする。
彼と北さんの関係を私は知らないけど、あんなに威勢よく教室を出ていったにも関わらず、次にこの教室の敷居をまたぐ時は、人が変わったかのようにぐったりしていた。
そういえば、その時も銀島くんが「北さんに絞られたんやろ？」とか聞いてたっけな。
あの一瞬だけでは分からなかったけど、案外厳しい人なのかもしれない。
「その、北さんって誰なの？」
「北さんは三年生で、俺らバレー部のキャプテンや。時々ここにも来とったけど見たことない？」
北さん。
バレー部のキャプテン。
今日はこの情報だけでも覚えて帰ろうと、しっかり頭の中で反復させる。
それにしても、北さんが何回かこの教室に来たことがあったとは。
正直、記憶には全く無い。
「そうだっけ？ あんまり覚えてないかも……」
「まぁ、大声でどやすようなタイプの人でもないもんなぁ」
そう言って、けたけた笑っていた。
あんなに叱られたであろう割には、北さんのことを紹介してくれる侑くんはすごく楽しそうで、良い関係が築けているんだろうな、なんて思う。
「ほいで？ 北さんがどしたん？」
「あ、ううん！ ちょっと気になっただけだから！ 教えてくれてありがと！」
私は侑くんの近くから早々に離れる。
北さん。
北さん。
心の中でそう唱えるだけで、胸がドキドキしてくる感覚が、自分の中にまだあったとは。
「香帆、聞いて！ 好きな人できた！！」
「どうしたの、いきなり」
次に香帆の席に向かった私は、そのことを急いで報告した。
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです！！ (12月31日 15時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした！ (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ！ ありがとうございます！！ (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです！ (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年11月6日 0時
