17コール目 ページ18
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「あ、北さんだ」
次の時間が選択授業のため、一人で別の教室に向かっていたところで北さんに遭遇する。
曲がり角を曲がってすぐのことだったので、思わず体全体を引っ込めさせる。
見たこともない男子生徒や女子生徒数人で固まって話していて、こういう姿を見ると同学年って羨ましいなぁと思う。
私も同じクラスだったら、座席関係なく喋ることができるのにな。
私も三年生の教室に行ってみればいいのかもしれないけど、それは迷惑だと思うし。
北さんって、バレー部じゃない人でも友達いるんだ。
そりゃそうだよね。だって、北さんの人柄ってめちゃくちゃ素敵だし、あったかいし。
結局、香帆の何気ない一言から生まれた不安はあの頃から拭えていないままで、北さんにどんな顔をして会えばいいのかも分からない。
さすがにあそこを通る勇気は無いので、少し遠回りにはなるけど別の階段から行こうかな、と。
踵を返そうとした瞬間だった。
「なんで、逃げるん?」
「え」
手首を力強く掴まれて、思わず息を飲む。
その犯人は北さんで、付き合ってから対面するのは初めてで急に顔が熱くなる。
「今、Aちゃんの話しとってん。ちょい来てや」
「え、まっ」
私の声も聞かず、強制的にさっきの三年生達の前に私を登場させる。
皆はからかう様子も無く、にこにこしながら私を歓迎してくれた。
「この子がAちゃん? 可愛いやん! 何年生やったっけ?」
「二年です……」
「北を好きになるとか見る目あるわぁ! こいつ、こんなんやけどちゃんとお前のこと大事にしとるからな。末永く仲良うしたって」
「は、はい……」
初めて見る上級生にどんな反応をしたらいいのか分からないまま、とりあえず笑って反応する。
顔が強ばっていないかだけが、すごく心配だった。
「すまんな、移動教室の途中やったんやろ? Aちゃんの話しとった時に姿見えたから、紹介したかってん」
同級生に私の話をしてくれていたことや、私を紹介したいと思ってくれたことは純粋に嬉しくて、少し照れる。
「私は全然! いきなりでびっくりしましたけど……」
「Aちゃんは、自慢の彼女やからなぁ」
こういうことをしてくれるということは、やっぱり私のことは好きなんだと思う。
あの知らない男子生徒も、大事にしてくれていると言っていたしな。
私だけが、変に考えすぎているのかもしれない。
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吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです!! (12月31日 15時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした! (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ! ありがとうございます!! (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです! (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吉田はるさめ | 作成日時:2023年11月6日 0時