12コール目 ページ13
.
「だって、今のAと北さん良い感じじゃん。いけると思うんだよね」
「えー、いやぁ、うーん……」
私は唸りながら自分のスマホを見つめる。
そもそも北さんは今合宿中だし、そうじゃなくても、あの人のことならとっくに寝ていそうな時間ではある。
タイミングが悪くて電話が無かったら、それはそれでショックかもしれない。
そもそも、こんな時間に用もなく電話を掛けた時点で嫌われる可能性だって大いにある。
「で、どうする！？」
でも、やっぱり好奇心には勝てなくて。
友達とお泊まりという非日常な時間とテンションが、私に電話をかけろと催促する。
放課後に北さんに言われた言葉も都合のいいように解釈され、それが更に拍車をかける。
「……んー、じゃあかけてみようかな」
「マジで！？ ヤバくない！？」
よし、一回かけてみよう。
出なかったら、明日の朝には″出れなかったけどどうした？″という旨のメッセージが届くだろうし、私も寝ぼけて間違えました、と謝罪の返事をしよう。
北さんがもしも出たなら、これを機にきちんと想いを伝えてみよう。
と、頭の中で色々とシミュレーションしてみる。
「本当に、かけるよ……？」
「いつでも！！」
二人で見やすいように、ローテーブルの真ん中にスマホを置き、北さんとのトーク画面が見えているLINEを開く。
あれだけ踏ん切りもついて、腹はくくったものの、いざかけるとなるとやっぱり緊張して、手元はずっと震えていた。
部屋は全く寒くないのに、指先だけ変に冷たくて、気のせいじゃなければ若干いつもより青白い気がする。
あなたに想いを伝えるために、頑張るから。
どうか、このワンコール分だけ。
私に、勇気をください。
そう思いながら、着信ボタンを押した。
私は普段と変わらないように かけた電話をすぐに切り、さっき見た動画を見習って画面を暗くした。
「ドキドキするね！」
「うん、まぁ……」
電話がかかってきてほしい気持ち半分、どうか寝ていてくれと願う気持ち半分、といったところだ。
この時間が一瞬にも永遠にも感じられる。
実際の時間で表すなら、ほんの十数秒といったところだろうか。
幸か不幸か、その片方の思いが届いてしまった。
「あ、電話かかってきた！」
聞き慣れた着信音が耳に届くのと、香帆のテンションが上がった声が聞こえたのは、ほぼ同時だった。
.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 297人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
吉田はるさめ(プロフ) - 脱兎@さきさん» コメントありがとうございます🥰 めちゃくちゃ嬉しいです！！ (12月31日 15時) (
レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - 一生顔がニヤついてました。控えめに言って神作でした！ (12月31日 11時) (レス) @page33 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - ゆずまる。さん» わぁぁ！ ありがとうございます！！ (12月15日 19時) (レス) @page28 id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずまる。 - 一言。尊とすぎんだろ (12月15日 18時) (レス) @page7 id: d52276dd20 (このIDを非表示/違反報告)
吉田はるさめ(プロフ) - 爽さん» 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ そう言ってもらえて、本当に嬉しいです！ (11月19日 22時) (レス) id: 545b1ba1c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：吉田はるさめ | 作成日時：2023年11月6日 0時
