今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:791 hit
小|中|大
ふたつ ページ2
.
「なんだ、また泣いてたのか」
上からのぞき込むように見る顔は呆れたような困ったようなどちらとも言えない顔だった。
「……うるさい。泣いてないし」
目に溜めた水を手の甲で拭って何でもないふうを装おうとするのに、雫は次から次へと溢れて敷かれたカーペットにしみを作った。
「Aはお姉ちゃんで、俺のこと守ってくれるんだろ」
ぺしりとおでこを叩かれて、いつの日かの懐かしい台詞を吐く。
「いつの話してるのよ……」
幼い自分が言った言葉はどこまでも付きまとうようで。
それが鬱陶しいくもありながら、懐かしくどこか嬉しくもあった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しき | 作成日時:2018年5月26日 22時