冬の夜、別れ。 ページ1
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「何で!?、私の方が絶対好きだし私の方がその子よりなんっ倍も可愛いもん!! …ねぇどうしてよ、ねぇ、」
「そういうところだよ!!! …もう相手してやれない、
正直言って重いんだよ、お前。」
どうして、
・・・どうして最後はいつもこうなの。
もう会えない、そう告げられて優太くんは喫茶店を出ていった。
他の客が不思議そうに、変な物を見るような目で
私をジロジロ見てくるから、
その場に居ずらくなって
急いで会計を済ませて喫茶店を出る。
夜の11時53分。
優太くんにバイト終わったら話があるって言われて
明日は私の誕生日だし、その事かなって思いつつ
ワクワクしながら指定された喫茶店の席で待っていたら、
突然の別れ話。
" 他に好きな子ができた " って・・・
相手は優太くんと同じバイト先の後輩の女。
その女、私が優太くんのバイト先に行った時に
やたら馴れ馴れしくしてきたし
優太くんのLINEをこっそりみた時に、
その後輩の優里愛って女と本当にバイト仲間なの?
って疑うくらいに親密そうな会話をしてたから
直接優太くんに問い詰めたら、
" 相談乗ってあげてるだけだよ " って…
今思えば、もう既にその時から浮気されてたんだ。
優太くんの言うことを素直に受け止めちゃって、
最後に選ばれるのは結局私じゃない。
私の20年間、こんな事ばっか。
好きになった人とは付き合えるけど
いつも振られて私だけ好きの感情を残されて、
振った側は私じゃない誰かと幸せそうにしていて…
" Aって、顔だけだよね "
そう誰かに言われた言葉を思い出す。
うん、そうだよ。
だって私、可愛いもん。
物心つく前から色んな人に
かわいいかわいいって言われてきて、
流石に中学に入る頃には
自分の長所はこの顔なんだなって気づいた。
どんな事も私が笑っていれば何とかなるし、
笑っちゃうくらい思うように出来事が進んじゃうの。
でも、恋愛だけは私の思うように行かなくて
好きになった人は私がちょっと好意を見せたら
告白してくれるし、両思いにはなるんだけど
結局その両思いも半年経ったら
みんな口を揃えて " 重い " って言って
勝手に終わらせられちゃう。
私が好きならそれでいいじゃん。
…なんでみんな私をひとりにするの
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作者名:たんたか伊藤 | 作成日時:2020年2月24日 5時