124話 ページ37
･
その違和感に対する好奇心で、近づいてみる。
そして感じる、鬼の気配。
＿＿＿まさか、
ある考えに行き着いた私は、試しにその違和感のある場所へ手を伸ばした。
スッ...と、何一つ感覚も無く、入れた私の指が消える。
そこから指を出してみると、ちゃんとくっついているのでこの先には見えない世界が繋がっているとみた。
善逸くんは見当たらないし、炭治郎は感情が揺さぶってて冷静な判断はきっとできない。
伊之助に頼んだ遠征を待ってる暇もない。
...あの、自分の気分的に。
だって、早く助けたいし。
プロヒーローだって、今は敵の件で忙しいだろうし、同級生を連れて行くなんて以ての外。
『...よし、私一人で行こう』
ひとつ決心した私は、少しの助走をつけてそこに飛び込んだ。
･
ズザザ...と、不時着した私が目にしたのは、普通の森。
特に変わった事は、無い様に思える。
『...いや、ちょっと寒い？』
全体的にひんやりとしたような...違うか。
この森全体に生気が感じられないから、冷たい感じがするのかも。
そこで確信。
ここは鬼の血気術で作られた世界だ。
自分が入ってきたところを確認しようと、後ろを向いた。
『......』
詰み。
私の後ろには、違和感を感じるところが無い。
つまり、さっきのように、元いた場所には帰れないのだろう。
ええ、まじ詰んだ。
いやでもだな、青山くんだってここにいるかもしれないんだよ？
鬼は倒さなきゃだし、もしも青山くんいたら助けないと。
...と、私のいた道に、靴跡を発見。
青山くんの靴がどんなのだったかとか、ましてやその靴裏がどんな模様だったかなんて分からないけど。
これはきっと青山くんの物だ。
鬼が靴履くなんて聞いたことないし。
...あ、禰豆子ちゃんは例外ね。
禰豆子ちゃんには私がプレゼントした靴がいっぱいあるから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 581人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：年中毛布掛けて寝る派 | 作成日時：2020年7月4日 9時
