120話 ページ33
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「何この焦げ臭いの......」
「黒煙......？？」
5組目のお茶子ちゃん達が出発した数分後の事だった。
木い生い茂る、目の前の森の奥から黒煙が上がったのは。
ヴィラン連合＿＿マグネとスピナーが私達の前に立ちはだかったのは。
「なんで...なんで敵がいるんだよォ！！！」
『そんな...嘘でしょ』
迂闊過ぎた。
漫画で掲載される出来事が、平凡に終わるはずがなかったのだ。
頼りにしている自分の半世紀前の記憶も曖昧で、信用出来ない。
いくら大好きだった作品だったと言えど、そもそも殆ど覚えていない。
「俺らが見回りしてたのに...。
＿＿＿そうか、USJ事件の時にいたアイツの個性...！！！」
『＿＿っ、伊之助！
今すぐここを出て外部に連絡！！
親分の野生の勘なら何とかなるよね？！』
「あぁ、なんてったって俺様は山の王だからな！！」
『マジで頼むよ？！』
伊之助がここを出る前に、残る私たち3人は伊之助の個性で大人体型にしてもらい、皆の方に向き直る。
目に映ったのは、マグネの装備で頭を潰されるピクシーボブ。
相手が鬼じゃなく人間である事、ヒーロー免許がない事。
このふたつの理由から動けない自分が情けない。
いや。
動けないわけじゃないんだし。
...うん、
『マンダレイ、私見回り行ってきます』
「ちょっ、君...」
「夜光さん、何言って...」
今晩は私が見回りする予定だったし、御館様や根津校長にも周りの安否を任されていた。
ここで動かなきゃいつ動くんだってね。
『炭治郎、善逸くん。
森には私が行ってくる』
「Aちゃん、多分鬼がいる。
音が聞こえるんだ。
皆が危ないかも」
『りょーかいりょーかい。
安心して任せろって。
首スパンって斬ってくらァ』
皆を守るさ勿論！
人を守る職業柄、責任感はあるんで！！
「でもA、森から微かにだけどガスのような匂いがする」
『まじ？
じゃー呼吸使えないじゃーん』
「Aちゃんならイケるって」
『何を根拠に言ってんだ』
「いや...強いし大丈夫かなーみたいな？」
『無責任だなオイ』
ベシっと善逸くんの明るい頭を叩き落とす。
こんな事してる場合じゃないんだって...。
そんな私たちの横で静かにしていた炭治郎が不意に口を開いた。
「...なぁA、善逸」
『なに？』
「禰豆子は、どこ行ったんだろう」
『「...え？」』
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作者名：年中毛布掛けて寝る派 | 作成日時：2020年7月4日 9時
