102話 ページ15
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夜、小雨が降る中私達は昨晩善逸くん達が向かったとされる山へやって来た。
少し遠くでの任務だったらしく、2時間程でやっと着いた山は夜に雨、という事もあり薄気味悪く感じた。
それから小一時間探したものの、山に2人らしき人物は見当たらない。
...というか、ここは既にもう探されていたのかもしれない。
先程二手に分かれた炭治郎と合流し話した結果、この山を中心に広がるこの街を探す事になった。
私は西の街へ、炭治郎は東の街を探す。
上から探したら、あの派手な黄色は見つけやすいだろう。
そう思って申し訳無いが、人様の家を飛び移りながら黙々と探した。
......と、途中にあった路地裏で、何かが月明かりに照らされてキラっと光ったのが見える。
気になったので降りて見てみると、その正体は猪の被り物であった。
どうやら、青い目の部分が光っていたらしい。
......これがあるということは。
伊之助がここを通ったのだ。
『...炭治郎、聞こえる？
猪の被り物が落ちてた。
......うん、多分伊之助の』
無線でお互いの事を確認し合う。
炭治郎の方は何も収集が無いらしい。
......と、突然炭治郎が無線の向こう側で声を上げた。
『どうしたの』
「ぜ、善逸...伊之助か......？？」
『み、見つかった...？！』
「あぁ、だが...こんなに怪我をして......。
意識も、無いみたいだ。」
『...！
炭治郎、今からそっち向かう。どの辺』
「駅の近くにあるコンビニの路地裏辺りだ」
『了解』
私は、伊之助の物だろう被り物を右手に持って炭治郎のいる場所へと向かった。
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『炭治...っ、2人とも......』
約10分で着いた場所には2人が寝かされていて、少し離れたところには血溜まりがあった。
炭治郎が動かしたのか。
2人は伊之助の個性が解けていないのか20代前半の姿をしていて炭治郎の苦労が伺えた。
先程炭治郎に息はまだあるとの情報を貰ったが、自分で確認してみないと不安なので2人の口に手を翳す。
...息、してた......。
1つ安心の溜息を吐く。
『本部に連絡はした？』
「した」
『じゃあしのぶさんの所まで運ぼう。
この出血量、隠待ってたら遅いかもしれないし』
運良くしのぶさんの所はここから割と近い。
簡易な手当を済ませ、私は伊之助、炭治郎は善逸くんを背負って蝶屋敷へ走っていった。
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作者名：年中毛布掛けて寝る派 | 作成日時：2020年7月4日 9時
