闇の中の白【五条悟】

27.嘘か本当か ページ28

あの後全力疾走して

女子寮に戻ってから、



自室に戻ってお風呂に入って、
ほっと一息ついたあと


五条先輩戻ったのかななんて悶々とするけど
結局何も出来ずベッドに横になった。




……もう寝よう




そう思うのに

夕方眠ったから眠れない



こういう時は取り敢えず目を閉じておく



壊衡術式で相手を仕留める方法って色々アレンジ出来ないだろうかと考えていた、その時。



ギシッとベッドの真横の床が鳴る



人の気配。




こんな、突然現れることが出来るのは、



私が知ってる中で、唯一人しかいない。




｢何しに来たんですか｣


｢え？すぐ戻るって言ったじゃん｣



そう言ったや否や


さも当たり前かのように
私の隣に入り込んでくる先輩


は？



｢このベッドマジ狭い｣


｢そりゃ私サイズですし？｣



私170ありますけどね。



｢もーちょっとそっち行ってくんない？
俺半分身体出てんだけど｣


｢なんで当たり前のように入ってるんですか？
過去一意味わかんないです。｣


｢俺もわかんない。
親友が居なくなって寂しいのかも｣



｢……。…それ言われたら追い出せないですよ｣


｢だよね。A優しいもん｣



え？

……先輩、相当弱ってる？



｢俺さ、アイツに会っても……多分、殺せない｣


｢……そう、ですか｣



｢殺さなきゃいけないのはわかる。

でも、傑はさ、俺ら呪術師のために茨の道を選んだんだ。

それなのに、それを俺ら呪術師が殺すなんて酷いと思わない？

ていうか、それをさせる傑ってなんなの。

究極のドS？それとも、俺たちにそこまで追い詰めて欲しいドM？

……どちらにしろキショいよな。｣




うげえ。と言うだけ言って
また私の方に体を寄せてくる先輩に


否定も肯定もせずとりあえず身の安全のために距離を取っていたら、いつの間にか端の方に寄っている私。


そして、ど真ん中に寝てる五条先輩。



｢なんで逃げんの。寝づらくない？｣


｢いやあんたのせい｣


｢心配しなくても、ちゃんと相手は選んで手を出してるよ｣


｢それはどういう意味ですか。｣


｢お前は俺の趣味じゃないってこと｣



……。



｢それに、グッドルッキングガイで呪術界最強の五条悟のお相手をしたいって女なんて山のようにいるし。

Aみたいなの、珍しいよ、ほんと。｣



いつもの軽いトーンで言うから
嘘か本当か分からないけれど…


この言葉を聞いて、


少しだけ胸の奥がチクリと痛んだのは
紛れもない事実だった

28.偉い人→←26.ぬくもり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す