闇の中の白【五条悟】

4.任務 ページ5

＿＿＿＿入学後4ヶ月



あれから、寮や学校で会う度


｢A〜｣


嫌がらせなのか
名前を呼んで絡んでくる五条先輩。



実は私、色々あって
名前を呼ばれることに慣れていない。


だから名前を呼ばれると
ビクッと大袈裟に反応してしまうのだ




先輩だけど流石にウザいのでたまに無視してたけどそれが元で逆に絡まれることが判明したために今は律儀に反応している。



｢今から任務？｣


｢はい｣


｢へー、俺も暇だから行こっかな｣



何故に？



｢結構です｣


｢今日のペア誰？｣


｢七海先輩です｣



そう答えた途端
こめかみをピクリと動かす五条先輩。



｢ふーん…憧れの先輩と一緒で良かったね｣



…えっ、



｢なんでその事…｣



もうしかして……硝子先輩！？



｢硝子じゃないよ｣



ほんっと、分かりやすいな



そう言ってゲラゲラ笑うと
私をからかって満足したのか


どっかに歩いていく五条先輩。



心の中でまたあっかんべーをしながら

ふと見つけた背中に声をかける




｢伊地知ー、私って顔に出やすい？｣


｢なんですか急に……Aさんは、そうですね……うーん……顔というか纏うオーラで怒ってるとか分かりますよ｣



オーラ……？



斜め上の回答に頭に浮かぶ
たくさんのクエスチョンマーク。



｢怒らないでくださいよ、とにかく、ほかの人にも聞いてみてください。皆さんそう仰られると思いますよ｣




同級生なのに相変わらず硬いなーとか思いつつも、先輩を待たせる訳には行かないので、


夕日が沈んでいくのを後目に、日焼け止めと日焼け対策をバッチリにして学校を出た。





.
.
.





さて、お仕事の時間。




帳を下ろして
呪霊と対面する



うーん、これは2級くらいかな。




｢術式順転『溺(でき)』｣




私の術式は単純。

触れたものの濃度を下げることが出来る



例えば、今私は空気に触れている

空気は窒素、酸素、二酸化炭素でおよそ構成されている。では、このうち酸素の濃度を下げたらどうだろう？


答えは、単純。

酸素不足で死に至る。



そういうこと。


で、呪霊の体に1度触れて


体液の成分の一部を減らして
平衡を崩してあげれば……っと、


汚い断末魔を上げて消える呪霊。




それが私の『壊衡(かいこう)呪術』

初見だと毒みたいってよく言われる




｢相変わらず、仕事が早いな｣




えへへ、

七海先輩に褒められた。

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