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授業中、うらたは隣のAの横をちらりと眺めては昨日志麻と話したことを思い出していた。



『まーしぃはさ、あいつのこと好きなの?』

『えっ、え、俺ぇ?』

『うん、』

『どう、なんやろ...一緒に居たいとか笑わせたいとかそういうのはあんねんけど、うーん...』

『それ好きなんじゃねーの?』

『まぁたしかにAが笑ってんの見ると好きやなぁって思うけどなんかそれ以上にある、っていうか』



どろり。
志麻の甘く、しかしザラザラした声が電話越しにうらたの耳に溶ける。

志麻がAのことを好きなのは明白だった。


...しかし、彼らは良い企業のいいトコの育ちである。
Aは一般人で、彼らの親が許すかどうかなんて考えるまでもない。

許すどころか、取り合ってさえくれない。


そこまで考えたところでうらたは志麻の声に現実に戻された。



『まぁでも、俺らは家が家やし』

『そう、なんだよな』

『...お見合いとか、なるんかな』



嫌やなぁ、そんなんするくらいならAと居りたいのに。

少し掠れた、真面目で真っ直ぐな志麻の声。

彼の素直なAへの好意に、うらたは負けた気持ちになった。


あの少しの時間で、Aに心を奪われた。
心に安寧や安心感が与えられる。


自分に勝ち目はないと、直感で思った。


そして、うらたもいいトコの育ちだった。



自分たちの想いは報われない。

そして、志麻に想いで勝てる見込みなんて、どこにもない。真っ直ぐな彼に、勝てない。




『...じゃあさ、手、組まね?』





だから少し卑怯な手を使っても許される、よね?

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かしや(プロフ) - 雨の夜さん» ありがとうございます〜!内容に重きを置いているのでそう言っていただけると嬉しいです!更新がんばります! (2021年1月31日 17時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - コメント失礼します!いやぁ〜前から見てたけど話の内容面白いのですごく好きです!作者さんのぺースで更新頑張ってください! (2021年1月31日 10時) (レス) id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)
かしや(プロフ) - のん!さん» ありがとうございますー!!更新頑張ります! (2021年1月29日 20時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)
のん! - 初コメ失礼します!とっても面白いです!更新楽しみしています!頑張ってください (2021年1月26日 8時) (レス) id: 8e054f2938 (このIDを非表示/違反報告)
かしや(プロフ) - るいやで。いぇあ。さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2021年1月23日 0時) (レス) id: a864d91887 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かしや | 作成日時:2021年1月20日 20時

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