【獄都事変】獄卒に入りました

29*木工室 ページ30

技術室じゃなくて…


木工室だよね。



『平腹…ここ木工室だよ。技術に使うけど』


「あ、そっか！！そう木工室だ！」


「大声出すな…耳が痛ぇ」



え？そうか？と言う平腹。


流石木工室。


木のテーブルに木のイス。


黒板には構図のようなものが書かれていた。



「うぉー！すっげぇーって何これ？？？」


『それは…電動ドリルかな？』



田噛は入口の近くに腰を下ろした。



「はぁ……だるい」


「ノコギリだー！木工室って武器になりそうなやついっぱいあるなー！！」


『……！』



何か白いものが窓の近くで通りすぎた。



「……兎か」


『さっきの兎？』


「こいつ！こいつだよ！！Aの手握ったやつ！！！待てぇぇぇ！！」



…トラブルを起こさないといいけど。

・・・・・・・・
トラブルメーカーの平腹が。



「どこ行ったー！？！？」


「兎なら外に行ったぞ」ﾆﾔｯ


「俺捕まえてくるー！！！」



田噛の笑顔が怖い。


平腹がテーブルに乗っていたイスを、


全部落として外に行ってしまった。




「…予想通り」


『！？』



計算済みでしたか。


そして、田噛はテーブルの上で横になり


そのまま寝た。



『面倒事を避けるときだけ頭を使うんだね田噛は』


「…うるせぇ」


『図星』



はぁ、何で頭いいのにそれを


上手く使わないのかなぁ。


もったいないAさんが来たよ。←←



『じゃあ私は平腹追いかけるから』



返事がない。


ただのサボりのようだ。←←←



「……俺は寝る。勝手にしろ」


『何かあったら言って』



返事が遅い。


そのまま両手を横において、


足を伸ばしたら死人になるな。←！？



『…死人』


「あぁ？俺は死人じゃねぇ、鬼だ」


『起きてるじゃん』



はいはい、鬼鬼。


貴方の性格までも鬼だよ。←


鬼なのに何で人間見たいな体してんの。


不思議。



『おーい平腹ぁー』


「おっ？Aー！！！あいつ見てねー？」


『うん、見てないよ』



兎があの兎人間さんみたいに喋れたら


いいけど。


もう叫ぼうかな…


双子の亡者出てこぉぉぉいっ！！！って。←



「兎出てこぉぉぉいっ！！！」


『……はぁ』



平腹の場合は兎出てこぉぉぉいっ！！！らしい。


木工室って校舎より古そう。


外がもう茜色に染まっている。


太陽が沈みかけているようだ。



『夜になるから、平腹！田噛！館に戻ろう？』



来たばっかりだけど、日が暮れてきたしね。 →

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