【文豪ストレイドッグス】 私と織田作

モノガタリ29 ページ30

｢やっと.............会えた....｣



手にしていたレンガをその場に落とし、膝から力が抜けた



｢なんでAがこんな所に....？だってあの場でお前は爆発で....｣



｢みんなが.......私だけ逃がしてくれた
最後にいつもと変わらないような笑顔で.......｣




全てがスローモーションに見えた
笑うみんなに焦る男、重力に引っ張られて飛ばされた方向に素直に飛んでいく私の体




｢私は生きてるんだよ！！
生きているんだ、だから................





こんなことは、人を殺そうとするのは止めて....｣






次々と溢れてくる涙を手で拭わずに織田作さんのズボンにしがみついて呟いた





｢こんなの.......私が知ってるあなたじゃないよ｣




｢！！！｣




｢帰ろうよ、みんなをっ.......！？｣



乾いた音がその場に響く
肩が焼けるように熱い
痛みが全身を蝕んでいく




｢ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ！！！｣





口から絶叫が漏れ、肩を抑えて倒れ込む




｢A！？｣



目を動かし、うった張本人を睨んだ





｢どうやら油断していたようだ....
こんな娘ごときにやられるとは私も歳をとったのか｣




さっき殴ったおっさんが頭から血を流しながらも立ち上がり、こちらに拳銃を向けていた




｢A、お前は此処で待っていろ｣



｢え、ちょっ！！｣



止めようとするが、体が生憎動かない
血が次々と出ていって本当は意識すら朦朧として危うい状態だ




漫画の主人公とかよくこの状態で戦えるよな
そんな呑気に考えてられないか.......嗚呼、目の前が暗くなって.......





【死にたくない】






最後に考えたのはそんな言葉だった





異能力があれば私も戦えたのかもしれないのに、足でまといになるつもりなんかなかったのに



あの時みたいに.............
もしあの時の夢が本物だったら....




｢し................死ねるかぁぁあああ！！｣




痛む体をたたき起こし、朦朧とした意識を闇の中から引っ張り出す





｢背中ががら空きだァァ！！｣




背中を向けていたおっさんに飛びかかり、首を絞める




｢早く逃げて！あなただけは此処で死なせたくなんかない、太宰がきっと来てくれるだから！！｣



｢邪魔だ｣




体格差ではどうしても叶わないらしい
脇腹をうたれた

口からは血液が流れる




｢さらばだ｣



体に銃弾が埋め込まれる感覚
もし私の感が当たってるのなら
私は.......

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