【文豪ストレイドッグス】 私と織田作

モノガタリ25 ページ26

車に押し込められる
痛い、触るな
私に触らないで






｢お姉ちゃん！！｣

｢酷い.......｣






先に入れられていた弟達には怪我はなさそうだ、どうやらここはワンボックスカーのようらしい




カーテンがかかって外が見れない
銃を突きつける男がいるから無闇には動けない



自ら前に出て盾となる
撃つならその前にお前を殺すと目で言いながら









数分後....





大きな音がして私たちの部屋の扉が開いた音がした



後ろにいた弟達が泣きながらそばにあるカーテンを勢いよく開ける
暗かった車内に明るい日光が入って思わず男は目を細める





飛びかかって銃を奪う
当然男も奪い返そうとする
もみくちゃになってでも時間を稼ぐ




だが、男と女
力の差は分かっていた






｢織田作さん！！！｣




その言葉に目に光が灯る
終わらせてたまるか、弟達を死なせて....





｢たまるかぁぁぁ！！！｣







泣きながら窓を叩いていた弟達を引っ張ってカーテンを閉めていた奴をぶん殴る





1人が車の後ろの鍵を外す
どうやらどさくさに紛れてやったようだ




これで逃げられる！！！






少し近くで何かが着地した音がした
きっと織田作さんだ！
これで助かるかもしれない！









弟達が飛びかかって動きを止めていた男がなにかスイッチを取り出す





それを見た私は頭が真っ白になる
まさか....それって！！




腕が10の手によって引っ張られる
柔らかい大好きな笑みを浮かべる5人は言う






その言葉に目を見開いて
瞬間、私の体は外に飛ばされていた




手を伸ばして叫ぶ
大切な存在が消えることを恐れて
それが間に合わない無駄な行為とわかっていて







ーーーーーーーーーー！！！！！





声にならない声が喉から絞られる





大きな爆発音にかき消される
思いも笑顔も存在も全てが無くなる






遠くで誰かが泣いてる声が聞こえる
それは悲しくて世界を呪って全否定しているようにも聞こえた




飛び散った幸せをパズルのように戻せないことを知って動かせない体に涙する






声も出ない
手も動かせない


それでも涙は出た
その言葉が.......その言葉は....







(なんで.........)









｢｢｢｢｢バイバイ、A姉ちゃん｣｣｣｣｣






最後に笑ってたの？

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