【文豪ストレイドッグス】 私と織田作

プロローグ ページ1

少し前の話をしようか
私の両親は少し不思議な仕事をしていたらしい
いつも夜に出かけて、たまに鉄臭い匂いをつけて帰ってくる





そんな2人に疑問を持ってはいたが、
なんとなく幸せが壊れてしまうような気がして
言葉にはしなかった








そんなある日




｢ただいまーー｣




中学3年生だった私はいつも道理学校に行き、
いつも道理授業を受けて、いつも道理帰ってきて、いつも道理玄関の扉を開けた





そこに広がっている光景はいつも道理ではなかったけれど....









血がたまる床に肉塊となった両親
思い出すだけでも吐き気がする




思わず足の力が抜けてその場に座り込んだ
奥から黒ずくめのスーツ姿の男達が
ゾロゾロと出てきてなにか話していたが
何も聞こえなかった






｢あ.......あぁ....｣


カタカタと震えて声も出ない私に
無常にも黒くて冷たい塊がひたいに押し付けられた





どうも頭は冷静らしく、一瞬で理解した
拳銃だった
逃げたかったが足が動かずにただ震えた







覚悟を決めて、ぎゅっと目を瞑る
両親のもとへ行けるのなら....そう思っていた









でも、そんな私に送られたのは拳銃の銃弾では
なかった









｢その子は俺が面倒を見る｣






凛とした声がその場に響いた
思わず目を見開き、声の方を振り返る





赤い髪に長身の気だるげそうな男が1人
そこに立っていた







気がつけばさっきの黒服共は倒れていて、
どうやら気絶しているらしくピクリとも動かない








｢立てるか？｣




優しい光を瞳に映らせてその人は
私に手を差し伸べてくれた





｢う....ぁあああ....｣







その瞬間、緊張の糸が切れてポロポロと涙がこぼれていった
オロオロとしたその人の表情が今でも
忘れられない









それが私..........(人1)Aと



変わり者の男、織田作之助との出会いだった

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