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広い試験会場には、ローブを着た学生達が集まっていた
当然、顔には全員痣がある。稀に痣が2本ある者も居たが、ごく少数。
その中に、ローブと綺麗な髪を靡かせる美男子が1人 _。
『(……家に帰って今すぐ寝たい)』
彼は名をヒビキと言った。一見顔立ち、立ち振る舞いと良い所の多い優良物件だとと思われたが
性格はお世辞にも良いとは言いがたいものであった。
困っている人が居れば『大丈夫ですか?』と声をかけるが、勿論本気で心配はしない。
困り事を聞いて手を貸はするが、こんな事なら断れば良かったと内心後悔している。
Aとは、こういう男なのだ。
だが、それを決して顔や態度には出さない。
するとどういう事が起きるか。
…誰にでも優しい、王子様の爆誕である。
×××
試験はAにとって案外簡単なもので、時が経つのがとても早く感じられた
欠伸でも溢しそうな程溜まった眠気を感じる頃、試験官は生徒達にこう言い放った。
「次の試験はこれだ。制限時間内にこの迷路から出ろ」
何故か苛立つ試験官の一言で、地面が抉れ巨大な迷路が現れる。
『ああ…なんかこれは大変そう』
Aは開きかけた目を擦りながら、ゆっくりとゴールへ足を運ぶのであった。
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作者名:すしを | 作成日時:2024年3月15日 12時