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『さ、早く逃げるよ、姉さん』
外に出たと同時にユニーク魔法を使い、姉さんの髪色と長さ、背丈を変えた。
「……っそ、そうだよね、帰っちゃえば後からどうにでもなるよね……」
そして俺も拝借した制服に早着替えした後、ユニーク魔法をとき監督生の姿を借りた。
『今なら一般人に紛れて帰れる』
「そ、その姿……監督生くんと仲良くなったの？」
『仲良く……はなってないね、取り敢えず走ろう。バレたら面倒だ』
ぐい、と姉さんの手を引っ張る。
かしゃり、と音がしたような気がした。
だが取り敢えず今は逃げる。走るのみ。
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俺たちは無事に家に帰れた。
そして、この一連の騒動は終わった。
そう思っていた。
「……ねぇA。お姉ちゃん、そろそろ学校に復帰しないといけないんだ……」
『え？いや、やめておきなよ。
怖い思いしたんでしょ、俺もう助けるの面倒』
「いや、でも！将来の私の夢のためにはナイトレイブンカレッジを卒業しなくちゃいけなくて……！
だから、お願い。
転入して、A」
『…………はぁーーーーーーーーーー……』
つまり、そういうわけなのである。
少しの時間とは言え俺の顔は知られている。
あの双子には絶対に。
つか命の危険感じたくらいなら普通に退学しろよ、頭お花畑なのか？……いや、姉は昔からそうだったな。
───
「おや、君がアイさんの弟くんですか」
……入学届が届いていなかったからできないと転入できないと思っていたのに。
どうして入学年齢に達していない俺にも届いてるんだよ入学届。
そしてどうしてそれを隠していやがった姉さん。
ガバガバセキュリティか……？
「第一志望として聞いておきましょう。寮は何処が良い、などありますか？
要望なら通すかも知れません。私、優しいので！」
『えーっと、オクタヴィネル寮』
「ほう。では、アイさんと同じオクタヴィネル寮と記載しておきます。はい、こちら制服や教材です。
明日から、よろしくお願いしますね」
おう、情報ラッシュ。
渡されたものと持ってきた荷物を持ち、オクタヴィネル寮の鏡を通った。
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作者名：y | 作成日時：2024年3月22日 17時
