姉がどうやらヤバイらしい【ツイステ】 (ページ4)

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学園校舎内、手洗いの中。
きっとここに全てが書かれている……と封筒の中から紙を取り出し広げる。

……前半は学校での生活での事が書かれていた。
それだけ見ればなんともない、ただの青春。

異変が起きたのは後半。

『("私は今、学園内の生徒に軟禁生活のようなものを強いられています……？

こんな生活はいやだ、逃げ出すから協力して"』

……。

軟禁生活？
ヤンデレの巣窟？
主にオクタヴィネル寮の人たちが狂ってる？

いやいやいや、オクタヴィネル寮に集まるのは"慈悲の精神"の人たちなんでしょ……？
慈悲だよ、じひ。どうしてそうなんの……？

ツッコみたい所は沢山あったけれども。
要するに、今日の夜七時にこっそりとハーツラビュル寮に来て欲しいとか。

寮生の人たちには話を通しているみたいだけど……ここ出て行かなきゃいけないのは５時だそ。

2時間どう誤魔化せば良いんだよ、おい。

しかもハーツラビュル寮って、厳格な精神に基づいた人たちが集まってるんだろ…？

そんな規則違反、絶対に許してくれなさそう。

スマホに連絡しても既読つかないし、なに？
本当の本当に何がおこってるんだよ……。

念のため、一応を想定してユニーク魔法を使っておいた。
はあ、とため息を吐いて手洗いから出る。

取り敢えず、ハーツラビュル寮に行ってみよう。

ーーーーーー

「なぁ、あの子ちょー可愛くね……！？」

「わかるわかる！一人なのかな、俺声かけてみようかな……」

さきほど使ったユニーク魔法。
一言で言えば、俺のユニーク魔法は"容姿を変える"事ができる。

声や体格、身長や髪色、目の色、唇の薄さや色、血色の悪さまで変幻自在。

小さい頃、姉からは"詐欺にめっちゃ向いてんね！"と爆笑された事は忘れない。

まあ、容姿を変えれるからと言って……こんな色白な美少女になる必要なかったな。
ごめんね、目立って。元が良いからどうしてもこうなっちゃうんだ。

あ、って言うか男子トイレから出られたの誰も見てないよな？

そんなことを考えていれば、誰かが話しかけてきた。

「あっ、あの……！少し、お時間良いですか……？」

『ええっと、どうかしましたか……？』

今やることは時間稼ぎと下見だ。
でもとりあえず遊ぼう。

黒い髪に黒い瞳、いかにも普通な男の子な彼は、猫のような狸のような動物を抱えていた。