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……まあ、髪は染めたやつだけど。
どかりと無遠慮に座ってきた巨体に、ソファがぎしりと音がした。
「イルカちゃん、どーしてここに来たの？」
『えっ、と……俺、兄弟がいて。様子を見に来たって言うか』
「へー？どんなやつ？」
顔が近づいた。
えっ恐……怖い、怖い怖い怖い……なに！？カツアゲ！？
俺そんなにお金持ってないよ……。
「──フロイド」
……ん？
「あれぇ、ジェイド。どしたの？」
あっ、さっきの怖かった二人の内のもう一人だ。
「さっき、リドルさんがあなたを探していましたよ」
「えー、ほんと？だりぃ〜……」
フラフラと立ち上がったその人が、そのままオンボロ寮から出て行く。
本当になんなんだ、と思いながらちらりと封筒の中に入っていた紙を見る。
長文！！！！！！！
後で読もう。
そう封筒の中に閉まった時、今度はまた違う、敬語の方のその人が隣に腰掛けた。
相変わらずオンボロなソファがぎしりと音を立てた。
「失礼。イルカさん、僕の兄弟が失礼しましたね」
『えっ、……ああ……兄弟？通りで容姿が』
……イルカさん？
「僕の兄弟、フロイドは海の生物で名前を呼ぶんです。僕とオーナー、アズール以外……は、ね」
『そ、そうなんですね。仲良し……』
何が言いたいんだろう。
「いえ、もう一人いました」
『え、ええ？』
「アイさんと言う方です。この学園で唯一の女性の方なのですが、とても美しい容姿をしていらっしゃる」
『へ、へぇ〜……』
……アイさん。
俺の姉さんの名前じゃん……。
なに？本当に何が起きてるの？
「とても魅力的な方でして。誰にも取られたくない。フロイドもアズールも、そう思ったのでしょう」
『す、いません、俺時間がないので』
黙って、その人はスマホを見せてきた。
反射的に見てしまった俺はとてつもない後悔をすることになる。
「つい、我慢ができなくて♡」
一枚の写真だった。
絵とかではなく、写真。
眠らされた姉が首輪や手錠、足かせを付けられて下着姿でベットに横たわっていた。
『ひっ！？』
姉のこんな姿、見たくなかったな。
そう後悔したと同時に俺は走ってその場を走った。
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作者名：y | 作成日時：2024年3月22日 17時
