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『あー、オーナー、さん。俺に何か用ですか？』
「いえ、用と言う用でもないのですが……」
"アズールさん"がちらり、と誰かを見た。
なんだろう、と向いた方向を見れば、二人の大男がにやりと微笑んでいたのですぐに逸らした。
「うちの店員があなたに用があると言いまして」
ぴこん、とスマホが鳴って姉からメッセージが届いた。
『そう、なんですか……』
"呼んできますね"そう席を立ったタイミングで、自分のスマホを見る。
届いたメッセージが、「初対面のふりをして」とのこと。
どういう事だろう、と言う疑問はすぐに解消された。
「お、お客様……」
何故ならば、店員の服を着た姉さんがそこに立っていたから。
脳が焼けそうだ、姉のバイト時なんて見たくなかった。
『えーっと、何か用……ですか？』
「……こちらの封筒、落としましたよ。大事なものかと思って直接渡さねばと思い…。
時間を使ってしまい、本当に申し訳ありません…」
茶色のと封筒を手渡しし、さっさと行ってしまった。
なんだったんだ……？と首を傾げながら、俺は珈琲を飲み終わりラウンジから出た。
ーーーー
『ここがオンボロ寮！すごい……本当にオンボロだ！』
あのオンボロ寮だ。
マジカメで何度も見たあのオンボロ寮。
あっ、と思い出す。
さっき渡された封筒ってなんだろう、と開封しようと鞄から出す。
その時のことだった。
「あ」
封筒の中身を開けて、折りたたんである小さな紙を広げ……。
「いたぁ〜……さっきのイルカちゃんだぁ」
『……イル、カ？』
その紙の内容を見る前に、話しかけてきた(？)……さっきの大男の一人。
「そ。賢そーだし青色の髪してるからイルカ」
『俺……？』
「そーだけど？」
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作者名：y | 作成日時：2024年3月22日 17時
