姉がどうやらヤバイらしい【ツイステ】 (ページ1)

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きっかけは、そう。
スマホから鳴った一つの着信でした。

『あ、はーい。姉さん？
どうしたの？今は上手くいってるけど』

スマホ越しの姉さんの声。
小さくボソボソとした聞き取りづらい声。

《あっ……やば！ねえお願い！A！

一回、ナイトレイブンカレッジの…モストロ・ラウンジって所に来て！》

『え！？』

《私の弟だって言えば、入れる…はず！よろしく！》

ツー、ツー、と無情な音が聞こえた。
ハテナマークが頭の中でたくさん浮かんだ、けど。

まあとりあえず行くしかないよな。
正直すごい面白そう。

俺は荷造りを始めた。
調べてみれば、偶然にも明日は学校公開日のようで。

母さんにも伝えてみれば快く了承してもらった。

ウキウキを隠せない気持ちでその日は寝たのでした。

ーーーーーーー

『ここがナイトレイブンカレッジ？』

スマホ越しでしか見たことのない景色が見えた。

観光(？)も程々に、俺は早速"モストロ・ラウンジ"へと向かうのだった。

『(そういや一般生徒って何処いるんだろ？
そもそも大した行事もないのに、どうしてこんな日に学校公開を…？)』

姉さん大丈夫かな、なんて。
その時はまだ軽々しい気持ちしか抱いていなかった。

ーーーー

「お客様ぁ、こっちの席へどーぞ」

『はい。ありがとうございます』

海の中を模したカフェ。とても綺麗だし、何処を見ても退屈なんてしなさそうな場所。

どうして姉さんは俺にこんな所に来て、と言ったんだろ。

「…あ、あの…」

『コーヒーください』

「か、かしこまりました…！」

吃驚した。どうしてか周りの人たちがこっちを見てひそひそ話してる気がする。

来たコーヒーを一口飲みながら、姉にメッセージを送ろうとスマホを開いた。

_______途端。

「お客様。少々よろしいでしょうか」

『…！？』

スタッフさんとは違う、明らかに違う服を着た人が話しかけて来た。
オーナーさん？いや、そんな、まさか。

「驚かせてしまって申し訳ない。私はこのモストロ・ラウンジを経営しているオーナー_______

アズール・アーシェングロットと申します」