11-6 ページ7
.
彼は突然の彼の大声に気を抜いた私から自身の刀を抜き押さえ付けるように床に叩きつけられたあとそのまま私の首元に刃を向ける
｢主様！！！！｣
｢いち兄！！！！！やめて！！！！！！！！！｣
五虎退君と乱君が泣きながら彼を止めようとするも彼は聞く耳を持たなかった
｢貴女に私達の何がわかる！！！痛みも、苦しみも！！！！貴女に！！兄弟が泣きながら消えていく苦しみが！！！わかるんですか！！！！｣
チリッと一瞬、首に痛みが走る
彼の切っ先が少しだけど私の首に食込んだ
(私に何がわかる……か)
此処に来てから何度も聞いた言葉だ
______その言葉に私が答えられる言葉は一つしかないのだ
『……わからないよ、そりゃ』
私がその言葉にそう返すとピタッ、と彼は止まった
確かに加州君や乱君が教えてくれたし
大体の事はここに来る前から何があったか位は把握しているつもりだ
______でも
本人達が味わった苦しみは私にはわからないし……簡単にわかるよ、なんて上辺で物を言っても信じる事なんて出来ないだろう
______結局私は任務遂行の為に此処に来た只の忍なのだから
『でも、貴方の弟にあれだけお願いされて無視できる程私は非情な人間になったつもりはないよ』
｢……………は？｣
意味がわからないと言ったような顔で困惑した彼は今まで私に向けていた視線を己の弟達に向けた
｢ぼ、僕が頼んだんだ…いち兄を助けてって｣
一期一振に視線を向けられた事で一瞬怯えた乱君だけど
言葉を発した時には何かを決心したような力強い目をしていた
｢いち兄にまた笑って欲しかったから、いち兄と僕と薬研と五虎退でまた笑い合いたかったから｣
｢乱……｣
｢主さんを殺せばそれは叶うと思ってたでも、僕は勝てなかった｣
(足元にも及ばないていうのはこういう事だと思い知らされた……でも)
｢この人なら僕達を、いち兄を助けてくれるって思っただからお願い、いち兄｣
主さんから、刀を離して
そういうと一期一振は目を見開く
彼が私の襟元を離した隙に私は起き上がり彼の刀をもう一度握り締める
『
｢……本当に、貴女は変な人間だ｣
カラン、と力なく一期一振本体が床へと落ちる
それを合図に五虎退君と乱君は彼を抱きしめる
三人はお互いを強く抱きしめ合った後線が切れたように涙を流し続けた
十一ノ巻完
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 368人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅 - 出来る事なら続きが読みたいですっ！お願いします！（土下座） (2018年8月18日 22時) (
レス) id: 1f77ccf26f (このIDを非表示/違反報告)
羽 - めっちゃ面白いです。頑張ってください。 (2017年9月10日 11時) (レス) id: 8afbf6f7f3 (このIDを非表示/違反報告)
天姫(プロフ) - 刀剣乱舞もNARUTOも大好きです！鷹きましたぁぁ！！更新頑張ってください！(*･ω･)ﾉ (2017年7月28日 15時) (レス) id: 95d4920f5d (このIDを非表示/違反報告)
Teke Ra(プロフ) - 宗三さんのキャラ大好きですよ！何か可愛くなってツンデレよりデレ多めがたまんないです！可愛すぎ！！清光も大好きだけどやっぱりとうらぶのキャラは皆好きだなっておもいました！この話が読めて私幸せです！更新楽しみに待ってます！！ (2017年3月27日 23時) (レス) id: 8ce3839a41 (このIDを非表示/違反報告)
Teke Ra(プロフ) - 赤石はんと江雪さんを出して欲しいです！ (2017年3月27日 23時) (レス) id: 8ce3839a41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優騎 | 作成日時：2016年11月14日 18時
